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~プロローグ~
俺の名前はレオン・スーザン。我がクライレル民主主義共和国の
クライレル空軍特殊戦闘群、宇宙艦隊司令官長に属している28才だ。
階級はほぼ真ん中に位置している「中佐」で、恥ずかしながら既婚している。
妻はソフィア・スーザン。27才で、彼女はクライレル空軍「スカイフライヤー」
という主に戦闘機を扱う職についており、家では優しい一面も見せる良き妻である。
3000年4月5日、俺とソフィアはこの日、仕事の疲れを解消するために温泉旅行をしていた。
ディナーは高級ワインとA5ランクの牛肉。俺らは旅行を満喫していた。
1本の電話がくるまでは……………
『ふー、、着いたぁ!!!!』
俺は3時間の車の移動が終わり、ノビをした。
『だねぇぇ、、運転おつかれさまっ』
俺の妻、ソフィアは俺の体を気遣ってくれた。
自分も長い移動で疲れてるというのにそれでも
夫の体調を気にしてくれる、、、これぞ完璧な妻だ。
現在西暦3000年4月5日午後3:30。
俺は妻のソフィアと一緒に温泉旅館「快蘭庵」を訪れている。
普段、「国を守る」という重要の仕事をしているせいか
心の底からリラックスできる時間がほぼなくなった。
それを見越したクライレル空軍の総合官長が
『可愛い奥さんと温泉旅行でもいって肩伸ばしてきな。』
と言い、有給を3日くれた。いつもは手厳しい総合官長なので
有給をくれたときは本当に驚いた。
ソフィアも驚きの表情を隠せてなかったのは言うまでもないだろう。
そんな100年に一度もないくらいの出来事を無駄にすることはできない。
俺は有給をもらった直後、この「快蘭庵」に予約したわけだ。
快蘭庵は海のそばにある小さな温泉旅館で、緑に囲まれている。
『わぁぁ、、、新鮮な空気だわぁっ、、』
ソフィアが言う通り、新緑が生み出す空気はとても新鮮で心地よい。
俺はここに決めてよかったと心底感じた。
その後、とても美形の若女将に部屋を案内してもらい
荷物を整理して、待望の温泉へと出かけた。
服を脱ぎ、風呂場へのドアを開ける。
その瞬間、独特な温泉のにおいと湯気が感覚神経を刺激する。
俺はすぐさま体にお湯をかけ、色んな温泉を巡った。
温泉を出ると6:00。ディナーの時間だ。
俺らが部屋に帰って少しするとディナーが運ばれてきた。
その地のA5ランクの牛肉、外国の有名なワイン、新鮮な野菜サラダ。
ワインを飲みながら妻と話していると段々まぶたが閉じてきた。
酔いが回ってきたのだろう。俺とソフィアは睡魔に抗うことをやめた。
そしてそのまま引いてあった布団に倒れ込み、わずか数秒で眠りについた。
俺は夢を見た。
俺が指揮している宇宙戦艦「クードス」の真上で
他国のミサイルによって撃沈するソフィアが
最後に他国の宇宙専攻母艦に体当たりして爆散する、なんとも縁起の悪い夢だった。
赤い炎に包まれるソフィアの宇宙専攻戦闘機…俺は夢の中で泣き叫んでいた。
俺はまだ辺りが薄暗い中、目覚めた。
変な夢を見たからであろう。髪は乱れ、浴衣は汗で濡れていた。
俺は部屋の時計で時刻を確認した。午前6:00。
ソフィアは朝の早い時間に風呂に行くと言っていた。
隣の布団にソフィアはいない。風呂に行ったのだろう。
俺はもう一度横になったがなかなか寝付けない。
しかし風呂に行こうたって、掃除の関係で男湯は7:00からしか空いていない。
話す相手もいないためテレビをつけた。
するとこんなニュースが流れた。
『臨時ニュースです。今日午前3:40、クライレル国家の
宇宙無人衛星「チェッカー」のカメラデータを更新したところ、
地球から70万kmほど離れた地点で巨大な赤い塊が地球に非科学的な軌道で急接近している
ことがわかりました。この赤い塊は燃えている隕石だと推測されています。』
すると電話がなった。空軍総合官長からだった。
俺は不穏な空気を感じながら電話をとった。
『はぃ、もしもし』
『突然すまない、奥さんと旅行に行っているというのに。』
『大丈夫です。どんなご用件で?』
『レオン、、、、隕石のニュースは知っているか?』
俺はさらに暗い顔になる。
『、、、、知ってます』
総合官長は一息おき、重い声で言った。
『、、、その隕石、実はスクラム独政連合帝国の衛星に
組み込まれているプログラムが誤作動を起こし、地球に急接近してることがわかったんだ。』
俺は意味がわからなかった。
プログラムが誤作動を起こして隕石を地球へ誘導するものなのか?
俺は総合官長に問いかけた。
『ど、どういうことです?』
『もともとスクラムの衛星に組み込まれているプログラムが
「宇宙空間に漂っている鉱石を吸い込む」ものなんだ。
そのプログラムが誤作動を起こし、巨大な隕石を引き寄せてしまったらしい。』
俺はなにかを察し、またもや総合官長に問いかけた。
『それって、、世界問題ですよね?、』
『、、、、、そうなる。』
スクラムは独政連合国家なので独裁的な政治で国家が動いている。
そんな政治制度なため、他国との仲も悪く、度々事件を起こしていた。
今そんな国がやらかし、地球を破壊できるほどの隕石を引き寄せている、、、、
幸い地球の外周には「セーブゾーン」という特殊な範囲がある。
この範囲に物体が入ると地球に危害を加えるものは全て排除される。
しかしそのセーブゾーンが隕石の力に耐えれるかわからない。
もし耐えきれなく、隕石がセーブゾーンを打ち破ったら、
その瞬間地球の大気温度は5000℃を超える。当然人類滅亡だ。
総合官長は言った。
『本当にすまないが、ソフィアと空軍本部に戻ってきてくれ。』
電話が切られた。
『はぁぁぁぁぁぁ、、、、、、』
俺はマリアナ海溝より深いため息をついた。
すると丁度ソフィアが朝風呂から帰ってくる。
『ふぅ、、、いい湯だったぁ!!』
俺は重い重い口をあけ、総合官長からの電話のことを伝えた。
ソフィアもため息をついた。
『えぇぇぇ、、、仕方ない、荷物まとめて帰ろっか、、、』
俺らは荷物をまとめ、旅館の人に謝罪し、快蘭庵を後にした。
本部のオフィスに戻り、辺りを見渡すと
職員全員が緊張したおもむきで作業に当たっている。
戻ってきたことを報告するため、官長室へと向かった。
ガチャ、、、、官長室のドアを開けた。
『総合官長、レオン・スーザン、ソフィア・スーザン、ただいま帰りました。』
『おぉ、帰ってきてくれたか、すまんな。 早速だが重大なニュースだ。』
俺とソフィアは覚悟して総合官長の話に耳を傾けた。
『地球一番の先進国である「フォーレッツァ王国」が
隕石の詳細を計測したところ、セーブゾーンの耐力値、耐火値を
余裕で超えるほどの火力とパワーがあると結果が出たそうだ。』
ソフィアも全てを悟ったように聞いた。
『ということは、、、、』
総合官長は2人の目を見て言った。
『全国民、地球外退避だ。』
~次回予告~
全国民、地球外退避を命じられたクライレル軍は
国民を宇宙専攻輸送艦に乗せ、地球外退避を試みる。しかし、、、