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第2話には暴力表現、刃物が出てきます。
注意してお読みください。
多少の伽羅崩壊有
作中で出てきます鋏という漢字は「はさみ」と読みます。
振り仮名付けられなかった為、此方にて表示させてもらいます。
暫くして、六限終了のチャイムが鳴った。
桃「もう六限終わったし、帰る用意しよっか」
赤「この後、屋上行かないといけなくて」
今朝、虐めっ子がやってきて屋上へ来いと言われたことを思い出した。
桃「…俺も行って良い?心配だし」
先生が救急箱を探しながら、りうらに問いかけた。
正直来てほしいけれど、ここは我慢するのが一番だろう。
赤「大丈夫ですよ、そんなに心配しなくて」
桃「…ほんとに大丈夫?」
赤「大丈夫ですって、笑」
りうらは安心させるように笑いかけた。
屋上へ繋がる階段を上っていると、今さっきまで無かった恐怖が一気に押し寄せてきた。
深呼吸をして扉を開けると男子が腕を組みながら待っていた。
虐「おせぇよ、のろま」
赤「ごめんなさい」
虐「俺のこと待たせた罰な」
言葉と共に頭を殴られた。そして地面に叩きつけられ、暴力を受けた。
頭を抱え、蹲るりうらを蹴ったり踏みつける虐めっ子は、りうらのことを見下して笑っていた。
躰を動かすことも出来なくなり、ぐったりしていると
仰向きに倒されてから上に乗られ顔面を殴られ首を絞められた。
赤「助け…」
虐「助けなんか来るわけねぇだろw、黙ってろ」
その時、屋上の扉が勢いよく開いた。
桃「お前、ほんっとに気持ち悪いね」
先生が言葉を吐き捨て、此方に来るのがぼやけた視界に映った。
虐「せんせーじゃんw、どうしたの?」
桃「その手離せ」
虐「無理に決まってんじゃんw」
ドカッ
頭が地面に打ち付けられた。
桃「お前っ゛」
先生は大人の力で、無理矢理虐めっ子を離してくれた。
赤「ごめんなさい」
桃「大丈夫、りうらくんの所為じゃないよ」
虐「関係ないんだから帰ってよw」
桃「生徒を見捨てることは出来ない」
先生がりうらをフェンスに凭れさせ、虐めっ子に近付く。
もうほとんど意識がないからか重たい瞼がりうらの視界を閉ざした。
桃 視点
桃「人を傷つけて何が楽しいの?」
虐「泣いてる姿とか面白ぇんだよなぁwほらこういうのもとれたし?」
そう言って虐めっ子が取り出したのはボイスレコーダー。
ボタンを押され流れてきたのは俺のことを悪く言うりうらくんの声だった。
桃「嘘だ、りうらくんがそんなこと言うわけ無い」
きっと言わされているだけ。そう思い込みながらもパニックになっている自分がいた。
虐「裏切られてるのに庇うんだ?w」
桃「嘘だっ」
俺は大きい声で言い切り、りうらのことを見ると、目を瞑り息が浅くなっていた。
桃「りうらっ」
りうらに駆け寄り手当を始めようとした時、虐めっ子が隙を突いてりうらのことを殴った。
そして俺は訳も分からずに鋏を虐めっ子に向ける。その手はわかりやすく震えていた。
虐「んははっ、こいつ面白ぇww」
桃「やめてっ゛」
虐めっ子のりうらを殴る手が赤くなっていくと同時にりうらの体に痣が増える。
もう見ることさえ苦しかった俺は鋏を虐めっ子に投げつけた。
虐「先生も俺のこと虐めるの?w」
暴力の矛先が俺に向かうと思いきや、虐めっ子は鋏をりうらのお腹に突き刺した。
桃「…ぁ、、あぁ…あ゛ぁっ」
虐「首絞めんなぁ゛」
虐「児童虐待っ゛」
ガシャンッ
桃「煩いっ、煩い煩いっ゛」
虐めっ子をフェンスに投げつけ、再び鋏の刃を向けながら歩み寄る。
俺の瞳は漆黒に染まっていった。
桃「君を殺せばりうらは幸せになれる……、だからっ゛」
そう言い鋏を虐めっ子に突き刺そうとした…のに、手が震えて動かなかった。
虐「弱いねぇ~w」
虐めっ子は俺を嘲笑い立ち上がった。
虐「先生の相手つまんねぇからさwこいつ殴っとこ~w」
けらけらしながらりうらを殴る虐めっ子に鋭い言葉を投げつけた。
桃「お前なんかこの学校に要らないっ゛、さっさと俺らの前から消えろ」
虐「はー゛wまじw?」
虐めっ子は血だらけの手でりうらの髪の毛を掴みあげていた。
桃「これ以上虐めるなら警察呼ぶ」
虐「はいはい…‘‘今日は‘‘これで終わりにしてやるよ」
虐めっ子の言葉を最後に屋上は静寂に包まれた。
next 「りうらの為なら_」