「……打屋」
「直接会うのは、ちょっと久しぶりですね」
自然と怜一と舞佳はホームの端に移動する。
「……」
「……」
会話がすぐに途切れると、気まずそうな沈黙を抱えて、舞佳も怜一も、ホームの階段をくだっていく人影を眺めた。
ホームの人影がまばらになった頃に、ようやく舞佳が口を開いた。
「怜一さん、気まずそうですね」
「べつにそんなことはないが」
元々の声が冷たく聞こえる怜一。今はぎこちなさから、普段以上に硬い声として響いた。
「私は、気まずいですよ」
「自分から話しかけておいて、よく言えるな」
「気まずいですけど、せっかくの縁がこのまま終わってしまうのはもったいないので」
舞佳の声はいつも通りに響いている。だが隣に並んで正面を向いたまま、怜一のほうは決して見なかった。
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