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「 拒食症 」
もとぱ (学パロ (嘔吐表現 有
ガラガラと、保健室の引き戸が開く音。
「 また..…痩せた? 」
そう言って 滉斗が眉を寄せる。
ベッドに横たわる元貴は、シーツの上でぐったりと背を丸めていた。
首元から見える鎖骨は 骨そのもののように浮き出ていて、白い腕には血の気がなく まるで折れそうなほど細い。
「 ….ごめんね、また倒れて。」
元貴の声は小さく掠れている。
それを聞いて、滉斗はそっと元貴の前髪を撫でてから 無理に笑った。
「 謝んなよ。心配すんの 俺の役目でしょ? 」
けれど、その笑顔の奥の不安は きっと元貴にも伝わっていた。
滉斗は保健室の先生に頼んで 水を少しずつ元貴の唇に運ぶ。
元貴は1口、また1口と飲もうとするが、胃が拒否するようにわずかに震える。
「う、…..っ、」
次の瞬間だった。
元貴はベッドの端に手を伸ばし うずくまるようにして、急に口元を抑える。
「 元貴!?だいじょぶ……! 」
ぐっ、と嗚咽混じりの音がして….
胃液のような酸っぱい吐瀉物が、間に合わずに口元からこぼれた。
滉斗は咄嗟に支えるようにしてバケツを引き寄せる。
元貴の肩が細かく震え、体力のない身体が嘔吐のたびに大きく揺れる。
「 ….っ、はぁ…..っ、ご、ごめ….. 」
「 謝んなって…..っ、辛いのに….. 」
滉斗は元貴の背中を必死にさすった。
背骨がまるで数珠のように浮き出ていて、今にも折れそうな儚さに、胸が苦しくなった。
「 ちゃんと食べてる?…..いや、食べれてる? 」
元貴はかすかに首を振った。
「 食べようとすると…..怖くて…吐いちゃうから… 」
その声には、自己嫌悪と 恐怖と 絶望が滲んでいた。
「 でも、滉斗に気付かれたくなくて….. 痩せてるの 気付かれなくなかったのに…..ッ 」
「 馬鹿…俺は、元貴が無理してる方が よっぽど辛いよ。」
滉斗の声が震える。
手を握った。冷たい細い指を包むように。
「 吐いてもいい、泣いてもいい。俺 絶対、元貴を見捨てたりしない。 」
そう言うと、元貴は堪えていた涙をぽろりとこぼした。
吐き気と一緒に 胸に溜めていた思いが溶けていくようだった。
滉斗の手の温度が、少しだけ 元貴の心に触れた気がした_____
#10.「 それでも、生きて欲しい 」前編
推しの体調不良ってどうしてこんなに栄養が採れるのでしょうか… ???
コメント
15件
それな👀推しの体調不良とか大好物🫠🫠 しかも、もとぱとかもう最高過ぎ😖💞 後編めっちゃ楽しみ〜ッ‼︎ もうなづ天才過ぎよ‼️
わかります!推しの体調不良栄養取れます、けど推しには元気で居てほしいなー、現実では