テラーノベル
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pn side:
『叶うよね』
風船が見えなくなるまで俺らは空を見上げていた。
気づくとらっだぁは既に空ではなく俺を見ていて、何故か表情はニヤニヤしていた。きもい。
『…なに』
「今絶対きもいって思ったでしょ 笑」
『うん』
「ぺいんとってば冷たいなぁ」
『いつも通りだわ』
「え〜?」
「ぺいんとって横顔綺麗だよね」
『そう?』
「うん 綺麗」
真っ直ぐに俺を褒めてくるらっだぁの目は一切見ずに周辺の景色を見渡してみる。
その中に1つ。目に留まるものがあった。
『見て!! アイスだって!!』
『食べたい!!』
「ちょっと〜俺の話聞いてた? 笑」
『ねぇ食べたい…だめ?』
俺は知ってる。
こいつは俺のおねだりに弱いということを。
らっだぁってば俺と同じくらい冷たい性格なのに俺にはめっちゃ甘々なんだから 笑
「…いいけど」
『やったあ!! ありがとう!!』
「いいけど 俺に1回ハグしてからね」
なんと条件を付けてきた。
ここは外で他の人もいるし 何よりこんなおねがいはあまりされることがない。
どうしよう。恥ずいし。
『え〜…/』
「ほら きて」
そう言ってらっだぁは両手を広げ いつもの優しい笑顔でこちらを見ている。
らっだぁのぎゅーはふわっとしていて暖かいしいい匂いするし優しい。けどいつもらっだぁからしてくれてるしここ外なの!!!!
『…/』
「…なーんて 嘘だよ 笑」
『ぇ…?』
突然そんなこと言い出すから俺もびっくり。さっきまで来てきて〜って言ってたじゃん。
「ぺいんとにそんなに無理させないよ 笑」
「好きって言ってくれるだけでも嬉しいし」
『あ…いや、』
「ホテル戻ったらハグしようね」
『…』
なんか負けた気分。
らっだぁはきっとたまにはぎゅーしてきて欲しいって思ってたに違いない。
それにアイス食べたいし…いやぎゅーしなくても買ってくれるらしいけど。
そんなことを考えていると体がいても立っても居られなくなった。
ガバッ !! ゞ
俺は勢いよくらっだぁに抱きついた。
顔赤いし絶対見られたくないから彼の胸板に顔を沈める。
やっぱりいい匂いがして 呼吸すると心が落ち着くのが分かる。
俺はもうこの匂いじゃなきゃ安心出来ないんだろうなぁなんて考えるのはちょっと女々しい気がしてやめた。
「…ぺ 、 ぺいんと…? 」
『…./』
「かわいい…」
「顔見せてよ」
『やだ』
「そっか 笑」
「ありがとう」
俺を優しく抱き締め返してくれた。
『あいすたべる…』
「そうだったね 笑」
アイスと言ってもソフトクリーム。
食べながらホテルへの戻り方を確認して俺らはそのままホテルへ戻った。
rd side:
『先に温泉入ろうよ!!』
床に横になってぺいんとはそう言った。
「でも暗くなって夜景見ながらも良くない?」
『うわ それには勝てない…そうしよ』
「いいんだ 笑」
『ゆっくり話したいし…。』
「じゃあ先に食べに行こっか」
バイキングの時間まであと1時間ほど。
『おいしかった〜〜〜〜!!』
「いっぱい食べてたね 笑」
『また太っちゃう…』
「大丈夫だよ 笑」
「真っ直ぐ温泉行く?」
『うん!! そうしよ!!』
食前に温泉に入る人が多い為人が少ない食後を選んで正解だったと思う。
とにかく露天風呂がすごいんだとか。
俺らは全身を洗いその露天風呂に急ぐ。
『うわ…綺麗』
先に扉を開けた彼女がそう言うので俺も追いかける。
すごく綺麗な夜景だった。
彼女の目はキラキラしていて引き込まれそうだった。
「ね めっちゃ綺麗」
『俺さ』
「ん?」
『ずっと言おうか悩んでたんだけど …』
「うん 、 え どうした?」
『俺 ッ …. 、 実は病気 なんだ … 、』
「….. え ? 」
その瞬間 まるで時が止まったようで 。
ぺいんとが病気? なんで?
「いや なんの冗談 … ? 笑えないよ ?」
『本当だよ』
「治るの … ?」
『ッ … 泣 』
『……. は 半年 … しか 、 生きられない。』
彼女の涙は温泉の中に溶けていく。
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝ ♡ 1000 💬 1
コメント
2件
素敵なストーリーありがとうございます💕 次のお話も楽しみです
めちゃストーリー好きです︎💕︎︎ 続き楽しみに待ってますね!!