テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
pn side: rd「 」 pn 『 』
ずっと言おうか悩んでたんだ。
俺は病気でもう長くない。俺に残された期間はたったの半年だけ。
本当は何も言わず姿を消すつもりだった。
言ってしまったんだ。らっだぁに。
今ならまだ冗談って言える?
どうしてもこの雰囲気の中じゃ楽しめないと思った。
『なーんてね!!』
『嘘だよ 笑』
「… 本当に?」
『うん!!』
『だってよく考えてよ!? 今まで具合悪そうにしてたことあった?』
「それは…」
『でしょ? だから嘘だって!!』
「ごめん 信じれない。」
「嘘だとしてなんでさっき泣いたの?」
「本当なんでしょ?」
『…』
どうしたらいいの
「…部屋で話そっか」
そう言って俺より先に湯船から出たらっだぁを俺も追いかけるようにして出ていった。
のぼせるくらい温泉に入っていたはずなのに俺の体は緊張感と冷や汗で寒さを感じていた。
怒られるかな。黙ってたこと。
でもね 俺だって黙ってたくて黙ってたわけではないんだ。
俺を大切にしてくれているらっだぁだからこそ言えなかった。
rdside:
嘘だと言ってほしかった。
寂しそうな申し訳なさそうな そして何よりも辛そうな気持ちを抱えているぺいんとを前に俺も正気なんて保てるわけがなかった。
彼女が半年後に死ぬ。
この事実が俺の胸に突き刺さって抜けない。
少しでも気を抜いたら崩れてしまいそうなくらい俺はギリギリを保っていた。
嘘だと言ってほしかった。冗談だよって。
脳の中に悪いものがあるらしい。病院に行った頃にはもう既に手遅れで手術じゃどうしようもないんだとか。
『黙っててごめん。』
ぺいんとから出た一言目はそれだった。
俺は謝って欲しいわけじゃない。
病気なんて逃れられないものでは あるしそれも余命宣告なんてされたくてされる人は居ないに等しいと思う。
「ぺいんとはどうしたい?」
きっと俺にはこれしかかけられなかった。
気のせいだと否定するのも抱きしめてあげるのも何か違う気がした。
『どう… って?』
「そのままの意味だよ」
「俺と別れて残りの期間自由に満喫するか俺とこのまま最期まで一緒にいるのか」
『嫌ッ 俺 ッ らっだぁといたい …. !! 泣』
『死んじゃうけど それでも最期はらっだぁに見届けてほしい ッ …. 、 』
そう言ってもらえてうれしかった。
彼女に残された半年という短い期間隣にいるパートナーに選んでくれたんだ。
「ありがとう」
「ぺいんと。 大好きだよ 」
俺はようやく彼女に触れることができた。
優しいけど強く抱きしめて。彼女の背中に触れている俺の手からは彼女の鼓動が感じられた。
俺を選んでくれてありがとう
pn side:
その日を境に俺はらっだぁに愛情表現をするようになった。
何も言えないままお別れなんて嫌だから。
『らっだぁ 〜〜 ?』
「ん ?」
『す …. すきだよ !!』
「 …….. え 。」
『なに 、 ?』
「まって ちょーかわいいんだけど」
初めて突拍子もなくそう言った時らっだぁは俺のことを抱きしめてくれた。
らっだぁのぎゅーは暖かくてすぐ眠れそうな優しいものだった。
『らっだぁは ?』
「愛してるよ ?」
『あっそ /』
「ほんとかわいいね」
『うん 知ってるよ』
「そっか 俺のためにかわいいんだもんね」
『うん ….. /』
「照れてる ? 笑 ヽ」
『照れてない !! //』
「まだまだ俺には勝てないかなぁ 笑 」
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝ ♡ 1000 💬 1
コメント
2件
まって無理。泣きそう😭😭😭もう言葉にできない感情が動きに蠢いて………もう、天才✨✨✨最高💖💖💖ありがとうございますほんとにこんな尊い者たちを😇😇😇