そういえば、今までどんな材料集めたっけ?
えっと、たしか紫煙《しえん》の森でバイオレットウガラシを手に入れて、藍色《あいいろ》の湖でインディゴマを手に入れて、深緑《しんりょく》に染まりし火山でグリーンドウを手に入れて、若葉《わかば》色に染まりし洞窟でエメラルドングリを手に入れて、蒲公英《たんぽぽ》色に染まりし花畑でイエローズを手に入れて、橙《だいだい》色に染まりし温泉でオランジュヴァイス(その温泉は青龍《せいりゅう》の汗)を手に入れたな。
ということは、あとは赤き雪原で……。
「ナオト、ごはん持ってきたわよ」
「おー、ミノリか。ありがとう。おっ、白ごはんに何かかかってるな。色的に七味とうがらしか?」
「違うわ。ルネージュよ」
「ルネージュ?」
「赤き雪原にだけ降る赤い雪のことよ」
「あー、なるほど。そういうことか。えっと、雪って食べてもいいのか?」
「あんたの世界に雪にかき氷のシロップをかけて食べる人いなかった?」
「あー、そういえば、親父《おやじ》が食べてたな……」
「まあ、たくさん食べると具合が悪くなる可能性があるから味噌汁を飲んで浄化しておきなさい」
「分かった」
味噌汁で浄化できるのか……。まあ、いいや。
*
「ごちそうさま! おいしかったよ!!」
「そう。じゃあ、あたしもう行くから」
「ああ、分かった」
あっ、そうだ。
「なあ、ミノリ」
「なに?」
「えっと、その……もう薬の材料集まったよな?」
「ええ、そうね」
「うーんと、これで俺との旅は終わり、なのか?」
「いいえ、まだよ。だって、あたし例の薬の作り方知らないもの」
「そ、そうなのか。えっと、ちなみに例の薬の作り方知ってるやつって今どこにいるんだ?」
「おそらく……いえ、確実にモンスターチルドレン育成所にいるわ」
「え? それって、まさか……」
「ええ、そのまさかよ」
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