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雪降る夜に

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雪降る夜に

1 - ⛄️

♥

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2023年02月10日

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🐣「あ、雪…」


窓から外の景色をみてみたら、

珍しく雪が降っていた。


そういえば天気予報で警報が出るくらいの大雪が降るって言ってたな…



けど、今の僕にはそんなこと気にしてる余裕なんて無かった。




先日、理由も言わずにグガが家を出ていった。

グガとは2年前から付き合っていた。


けど…最近は愛情表現も無ければ会話もない。


家の中は気配を感じさせない静かさで、グガが居なくなってからは更に静かに感じた。



数日経っても家に来る気配が無く、グガの家の前に立って待っていることにした。



だが、雪が降り始める前からとても気温が低く、分厚いダウンを着て、袖を伸ばしてもなお手足が悴んでいた。



それよりもグガのことが心配だ。こんな大雪で、もうこんな時間なのにまだ家に帰ってきていない。


僕はずっと待っていた。

















気付いたら朝になっていた。

玄関の塀によっかかって寝てしまっていた。


まだ雪は降り続けている。手足の感覚もままならない。このまま死んでしまうのではないか、と悟った頃だった。














🐰「…ジ…ミ二ヒョン?」




微かに聞き取ったその男らしいけど可愛らしい声が、僕を安心させた。グガだ。




🐰「何してるんですか…!!」



何か喋っているようだけど、微かにしか聞き取れず、そのまま意識が朦朧とする。




🐣「…グ……..ガ…」




僕は座り込んだまま、そこで意識を失った。







jk said




残業があり、大雪警報も出ていたため電車が通っておらず、タクシーを呼んだが、つかまらず。


1時間ほど歩いて自宅に帰った。



クタクタだった。




気づけばもう4時。


やっと自宅の玄関が見えたと思えば、


そこにはダウンを気纏って、座り込み、

蹲っていたヒョンがいた。




ヒョンとは数日前に何も言わずに別れた。



理由は、僕の仕事がだんだんと多くなってきて、自宅より少し遠いヒョンの家にも帰ることも少なくなってきたし、愛情表現だって出来ていなかった。


朝帰ってきて、また直ぐに会社に行く…そんな生活をしていたから、ジミニヒョンとは顔も合わせず、会話すら出来ていなかった。




これから迷惑をかけてしまうのではないかと思った。


心配性なジミニヒョンに、こんなことを言ってしまったら更に迷惑をかけてしまうに違いない。


そう思い、静かに家を出ていった。




本当は別れたくなかったんだ。


ヒョンはいつも僕のご飯を用意してくれていた。迷惑をかけているだろうに、僕のことをずっと待ってくれていたヒョン。



別れる理由がない。

ヒョンが悪いんじゃない。僕が悪いんだ。






玄関前にヒョンがいることにまず驚き、


🐰「何してるんですか…!!」


と話しかけた途端、ジミニヒョンは首をガクリとさせ、意識を失った。



🐰「……..はっ!!!」





僕は急いで家の鍵を開け、ヒョンをおぶった。



寝室は遠いから少しでも早く意識を取り戻すために、リビングに置いてある淡い緑色のソファに寝かせた。


そしてヒョンの首元を手の甲を使って触ってみる。




🐰「…………冷たい」



いつから居たのだろうか。


さらにおでこを触ってみるととても熱かった。

きっと高熱だ。


こんなに寒い中、待ってくれていたのだろうから、今 急に暖かくしてしまうと、更に体調を崩すだろうと思った。



とりあえずホットミルクを用意し、ヒョンが意識を取り戻すのを待つ。











もう3時間は経っただろうか。

ホットミルクは冷めきっていた。




🐣「….っ」




ヒョンがピクッと動いた。勘違いではない。確かだ。




🐣「……グ……ガ?」


🐰「はっ…ジミニヒョン……..!!」





jm said



気が付いたら、グガの家のソファで寝ていた。



🐣「….ぼ….く……….ど…した?」



まだ意識は回復しきっておらず、身体は動かすことができるが、焦点が合わない。



🐰「ヒョン…!泣

僕…ごめんなさい…..!泣

ヒョン…こんな…….本当ごめん………..」




🐣「……….ん…ずっと….待って…たの泣


けどね…グガい…つに…なっても来なくて….!泣」



🐰「………..いったんハグさせて、」





ギュッ


僕はその優しい声に甘え、

グガの大きな身体に身を寄せた。






🐣「あのね…グガが家出て…いっちゃっ…たからね…心配し…てね…….ずっと…待ってたの…泣」



🐰「………..僕がいたら嬉しい?」



🐣「うん、会話ないだけでもいてくれるだけで嬉しい…僕が作ったご飯食べてくれてるだけでも嬉しかった…」



🐰「…っ!そうだったんだ、ごめん

僕、それが迷惑になるかなと思って、勝手に家から抜け出した……ほんとごめん、」



🐣「自分勝手すぎるよ…」


🐰「ほんとごめん…」


🐣「……..グガ…なら特別…許す…


また一緒…にいて…くれる?」



🐰「うん、約束する。またヒョンのお家行くね…


ていうか…寒いよね、」



🐣「うん…」



🐰「熱あると思うから、あまり無理しないで。

…ホットミルク作りなおすね」


🐣「ありがとう、てかごめん、泣きすぎてグガの肩びしょびしょ、」


🐰「大丈夫だよ笑」







グガは僕にホットミルクを作ってくれた。



🐣「グガのつくるホットミルクすき」


🐰「牛乳あたためただけだよ?笑」


🐣「それでもグガのしかすきじゃない」


🐰「…..う゛

やっぱすき…だいすき」


🐣「グガ、僕も大好きだよ」





end







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