テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
第1話 怪物たちの日常
裏社会の連中はこう言う。
この街で一番関わってはいけないチーム。
それが――
漆黒の支配者。
王国も、裏組織も、教会も恐れる怪物集団。
だが。
そのアジトの中は——
「まさちんんんん!!!」
とんでもなくうるさかった。
「咲絢うるさいよ…!」
小柄な青年、勝寛が困った顔をしている。
その腕をがっしり掴んでいるのは、黒と紫の服を着た長身の男——咲絢。
猫耳がぴこぴこ動いている。
「だって暇じゃん!」
「さっきまで戦ってたじゃん!」
「もう飽きた!」
「子供!?」
ソファに座っていた煌人が、ため息をついた。
「……お前ら、少し静かにしろ」
無表情のまま紅茶を飲む。
猫耳と、頭のドラゴン角が静かに揺れる。
「煌人は冷たい!」
「普通だ」
そこへ。
ガチャ
扉が開いた。
「咲絢様」
長いシスター服を着た女——立花が入ってくる。
その後ろには巨大な剣を担いだ悠輝。
「敵の偵察を終えました」
「三つの組織が咲絢様を狙っているっち!」
咲絢はソファに倒れた。
「えー…めんどくさ」
「神を狙うとは愚かですね」
立花が静かに笑う。
悠輝は手に持っていた袋を机に置いた。
ドサッ。
「お土産っち!」
袋の中から出てきたのは——
生肉。
「……また?」
煌人が眉をひそめる。
「新鮮っち!」
その時。
キッチンから声が聞こえた。
「さぁちゃーん!!」
恵海が走ってくる。
ナース服の長身の女。
顔には大きな火傷跡。
「新しい毒薬できたよ! 試す?」
「誰に?」
咲絢が聞く。
恵海はニヤッと笑った。
「敵に♡」
立花が頷いた。
「素晴らしいですね」
悠輝が言う。
「俺っち試したいっち!」
「自分で飲むな」
煌人が即ツッコミ。
その時。
勝寛が小さく言った。
「……あの」
全員が振り向く。
「お腹すいた」
沈黙。
咲絢が立ち上がった。
「よし!飯だ!!!」
「戦闘より元気ですね」
立花が言う。
恵海がニヤニヤする。
「さぁちゃん料理できないのに」
咲絢は胸を張った。
「今日は成功する!」
10分後。
キッチン。
ボン!!!!
爆発。
煙。
「火事っち!!!」
「だからやめろと言った」
「神の料理…」
「黒焦げ❤」
咲絢は真っ黒のフライパンを持っていた。
「……焦げた」
勝寛が笑った。
「僕作るよ」
咲絢は目を輝かせる。
「まさちん天才!!」
抱きつく。
「ちょ、ちょっと咲絢!」
恵海が小声で言う。
「今日もイチャイチャしてる」
立花が頷く。
「尊いですね」
「敵来ないかなっち」
「来ない方がいい」