ある日の収録後。ちょっとした言葉のすれ違いから、2人は控室で言い合いになった。
👦康二「なんでそんな言い方すんの!? こっちはフォローしてたつもりやったのに!」
👦翔太「フォロー? あれが? あんだけ話被せといて!?」
👦康二「……そんなつもりちゃうかったのに」
👦翔太「じゃあもっと考えて発言してくれよ、もう!」
バンッ!
渡辺翔太が怒りに任せてドアを勢いよく閉めて、控室から出ていく。
康二はその場に立ち尽くしたまま、ひとことも言えなかった。
翌日。
収録現場でも、どこか気まずい空気が漂っていた。
Snow Manが楽屋に集まり、いつものようにわちゃわちゃしている中、康二は静かだった。
翔太も、それに気づいてはいるけど、声をかけられない。
そして、ふとした瞬間。
👦康二「……翔太くん、今日の衣装、ネクタイ逆ですよ」
その声に、全員が一瞬フリーズした。
誰よりも早く、翔太が顔を上げる。
👦翔太「……今、なんて言った?」
👦康二「翔太くん、って……」
「翔太くん」――
それは、Snow Manに入ってすぐの頃、康二がまだ距離を感じていたときの呼び方。
いつからか「翔太」って呼んでくれるようになって、
それがすごく、翔太にとっては特別だった。
翔太の表情が少しだけ曇る。
👦翔太「……わざと距離取ってんの?」
👦康二「……別に、そんなつもりちゃうけど」
👦翔太「“翔太くん”って言われたら、なんか知らんけどめっちゃ寂しいわ」
康二は黙ったまま。
ラウールが気まずそうに空気を読み、他のメンバーと一緒に楽屋を出ていく。
2人きりになった瞬間、康二がぽつり。
👦康二「……翔太が怒るの、久しぶりやったから、ちょっと怖かってん」
👦翔太「……」
👦康二「だから、昔みたいに呼んだら……ちょっと安心するかなって思って」
👦翔太「……俺が、そんなに怖かった?」
👦康二「うん。…でも、それ以上に、自分が嫌やった」
👦翔太「なんで?」
👦康二「また、翔太との距離が遠くなってもうた気して……」
沈黙のあと、翔太がゆっくりと立ち上がり、康二の頭を軽く小突く。
👦翔太「バカ。俺はお前と距離なんか取りたくなかったよ」
👦康二「……ごめん」
👦翔太「……もう、“翔太くん”はナシな。俺、お前に“翔太”って呼ばれるの、めちゃくちゃ好きなんだから」
康二は、少し照れくさそうに笑って、
ようやく言えた。
👦康二「……ごめん、翔太」
翔太も、ちょっと照れた顔で、
👦翔太「はい、おかえり」