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ある日、私のクラスに転校生が来た。 身長が高くて、黒髪で、キレイな顔をしてた。
でも彼は不思議な人で、自分の席でよく鏡を見ていた。
キレイな顔をしているから、クラスの女子によく話しかけられてた。
『凄いイケメンだよね』
と遠回しに伝えられていたとき、彼は言葉の意味が分かっていないみたいに
『そうだね』
って返してた。
「う、うーん」
ここは何処だろう。空は星がキレイで、街灯が無いのに周りが明るい。
まるで私が周りを照らしているみたい。
「「…ひかりだ!」」
誰かの声が聞こえた。私が声の方へ勢い良く振り返ると、あまりの恐ろしさに腰を抜かしてしまった。
「え、絵文字?!」
白い服を着た、頭が絵文字の…女の子?
「えもじってなに?よくわからないけど、わたしについてきてよ」
私は戸惑いながらも、道に迷って困っていたから付いていくことにした。
「おねーちゃんさ、おかおきれいだね」
私の顔をランク付けするとしたら、中の下ぐらい。とてもキレイとは呼べないものだ。
「そんなことないよ」
「まえにね、えほんでよんだの!」
その内容は、この世で一番整っている顔を教える、教育絵本だった。
目が2つで、鼻があって、横向きに口がある。これが整っている顔らしい。絵本のイラストには、私達人間の顔が描いてあるとか。
「わたしのかおはね、そのきれいなおかおにそっくりでね、よくつかまっちゃうの」
「おねーちゃんもきおつけてね」
女の子がそう言った瞬間、遠くから男の声が聞こえた。
「あ!おねーちゃんあぶないからはしろう!」
私は状況がよく分からずパニックでいながら、女の子に付いていった。
無我夢中で走っていると女の子の家であろう場所についた。
「おにーちゃんあけて!!はやく!」
お兄さんらしき人が鍵を開けると、物凄い目眩がして、私は倒れそうになってしまった。
「おねーちゃん!」
女の子に引っ張られて、家の中に入ると、そこは衝撃的な場所だった。
窓の外は晴れていて明るく、空に人間の目のようなものが浮いている。
「ひっ…気持ち悪っ」
目眩と吐き気が凄く、倒れそうになりながらトイレを探していたが、その苦しみもすぐに無くなった。
「もう大丈夫だよ。君は…」
妹と違う顔の絵文字だ。
自己紹介をしていなかったのに気づいた私は、すぐに名前を言おうとしたが
「名前を言わないで、君は別の世界から来た人だよね。」
「別の世界?」
彼は何かを思い出そうとしながら言った。
「○○だった気がする、たまにそこから人がやってきて、おかしくなって、最終的に顔を失う。君は幸運だよ、妹が見つけてくれなかったら君も顔を失うところだった。」
あのままあの道にいたら、あまりの可笑しさに自分までおかしくなっていたかもしれない。
「君も早く戻らないと。僕が家に返してあげるから、ここの事は忘れて」
そう言われた瞬間に私は気を失い、朝起きた時には自分のベッドの上で寝ていた。
「…う、うーん、変な夢を見たような?」
そう思っていたのも束の間。時計を見た瞬間、私は焦った。
「もう八時!?遅刻だ!!」
夢のことを思い出す暇もなく、家を飛び出した。