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帰ってすぐ、風呂に入り、傷を流し込んだ。疲れを癒やし、湯船の中で携帯を眺める。着信が来ていた。太宰だ。
太宰「今日はお疲れ。明日会える?相談なんだけど。」
太宰から連絡は早々来ないもんだから、少し不思議だ。
「いいけど、傷は大丈夫なの?」
太宰「マフィアでならこの程度かすり傷。」
私達は、家の近くのCafeで話し合うことにした。
翌日_____
「あ、やっと来た。」
ジャージ姿の私は太宰と体面した時、「げっ」と云われた。御免なこんな格好で。
太宰「今日は有難う。で、何頼む?」
眉の動きから、怒りが感じられる。
「じゃあ此のパンケエキにしようかな。」私はtallサイズのパンケエキを注文。太宰はアイスコーヒー。
「で?どうしたの?」
太宰「羊の件をどう対処するか、教えてほしい。君は中也より羊との交流が深い。如何する?」
前から考えていた事だった。羊を傷つけない為にどう伝えればいいか。中也を敵視して貰いたくなかった。
「羊に誘ったのは私だから、私が説明しに行く予定。」
太宰「会って君が上手く話せると思わないんだけど。」
私の性格上、臨機応変が苦手。いざ変な質問が来たとき、確かに上手く対応できないだろう。
太宰「あ、御免。困らせちゃった?」
「…いや、大丈夫。考えとくよ。それだけ?」
太宰「うん。」
二人の中に気まずい沈黙が広がる。試しに太宰の頭の中を読んでみよう。
「はっ!???」驚きの余り立ち上がってしまう。他の客の視線が痛い。
太宰の頭の中は「お腹痛い痛い痛い痛い痛い、このぐらいなら死にたい〜」と同じ言葉を繰り返していた。
太宰「何大声出してんの!!パンケエキ来たし早く座って。」
パンケエキに苺のジャムがたっぷりかかっている。目を輝かせる私に太宰はお母さんのように微笑む。
「いただきま〜す!!」
食べるのが好きなのは、住む世界が変わっても関係ない。私が美味しく頬張るのを見て、太宰がじっーと見てくる。きっと食べたいのだろう。頭の中は____
太宰「(食べたい美味しそう一口でも…)」
「一口食べる?」
太宰「いいの?じゃあ…あーんってして?」
「は、?」体が固まった。確かに太宰は体を痛めているが…流石に周りからの視線が更に痛くなるだろう…
太宰「君は僕の犬だ!!飼い主の指示にも従うのも当たり前だろう?」
「・・・」
少し頬を赤らめながら、パンケエキをのせたスプーンを太宰に向ける。待って…此れって間接キスじゃ?
太宰はパクっとし、美味しそうな表情を浮かべる。この子、本当にマフィアなの?
太宰が口に入れたスプーンをもう一度口に入れる。泣いていないのに、何故か、涙の味がした。
パンケエキを食べ終え、それぞれ帰宅した後、頭の中は羊の事でいっぱいになった。
「如何しよう…」
_____悩んで悩んで半月後、私の中で答えが出た。
やっと恋愛系が来た..!!