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ある日、優太にあだ名を付けられました。
「唐辛子。」
「なんだよ、唐辛子って。」
「冨樫だから、唐辛子」
「それと、性格も辛いだろ。アイツ」
「確かにな」
それからみんなは、優太のことを「唐辛子」と呼ぶようになった。
「唐辛子、教科書貸してよ」
「ごめん無理」
「一限目くらい、いいだろう?」
「あ、おい!」
西山さんは優太の教科書を取った。
「唐辛子、今日一緒に遊ぼうぜ」
「嫌だ。俺はもうお前とは遊ばない」
「それに、みんなから唐辛子唐辛子って呼ばれるのあまり好きじゃないな。」
「普通に「優太」でいいのに。」
「なんで一々「唐辛子」だなんて呼ばれなきゃいけないんだ?」
「それは知らない。」
「一番最初に「唐辛子」と付けたヤツが悪いんだろ。」
「誰だよ?」
「俺は知らない。」