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テラーノベル(Teller Novel)
冬の天

冬の天

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1

絶対、恋なんかじゃない

♥

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2024年01月15日

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「うぅ…さみぃ」

隣をゆっくり歩く、少し厚着をした男が、手を擦り合わせながら呟く。



雪が降り積もる、蛍光灯だけで照らされたスーパーの帰り道。

いつもは色の無いコンクリートの地面が、今日だけ、星の様に煌めく白い絨毯に変わっている。


「何も今日行かなくても良かっただろ…」

冬の厳しい寒さに全く耐性が無い彼が、白い息と共に愚痴を吐く。

そんな彼と裏腹に、クスリと笑いながら俺は

「でも、折角雪が降ってるんだから出かけなきゃ損だろ?」

と、彼と目を合わすため、少し下を見ながら言ってみる。


「下見んのやめろ、別に背低くないのに身長差感じる」

少し怒らせてしまったみたいだ。


だが、その感情が本気の怒りでは無いと知ってる俺は、余裕じみた笑みをしてやった。




まぁ、案の定腹部に一発お見舞された。



「何も腹に決めなくても…」

「兄貴を絶対零度の冬の外に連れ出した罰だよ」

これでおあいこな。と、悪戯に笑う彼に、少しムッとしたのは秘密。



「・・・お?」

突然、俺の方を不思議そうに見つめた。

なんだなんだと思い、視線を辿ると───


「…俺の服がどうした?」

彼の視線の先は、俺が羽織っているロングコート。

俺の灰色で長い髪の毛でも付いていると言うのだろうか。


「いや、正確にはコートじゃなくて・・・」

これだよ。これ。と言いながら、コートのすそをクイッと引っ張られた。


引っ張られた己の裾を凝視すると






「・・・・・・雪の結晶・・・か?」

「そうそう!」


とても小さいが、形が整っていて、光のお陰で白い、 綺麗な結晶。

写真でしか見たことが無かったが、実物の方が何倍も儚く、美しい。




そう何となく思っていると、俺の裾を引っ張りながら、


「・・・すぐに消えちゃいそうだなぁ」


そう、うっとりと……そして、どこか寂しげにポツリと呟く彼。

そんな彼に、ほんの少し、ほんの少しだけ、胸が苦しくなった。


それを察したのか、コートの裾をパッと離して

「ほら、寒いからもう帰るぞ!」

と、明るく、少しうざったらしく言葉を放ち、彼はスタスタと歩き出す。




そんな海のように青い髪を追いながら、

どうか、どうか彼に対する想いが、恋なんてものではありませんように


って、冬のそらに祈ってみた。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

32

ユーザー

なんでもっと早く読まなかったんだろう すきぁぁぁぁぁああああああ 待ってた!!まっtrまsjた!!! エレんとかわsっぁぁああああっかっっきいいいいい

ユーザー

え…ちよ、君たち兄弟だよね…? え?ま、まじで??

ユーザー

ぴょ、ぴょえ、ぴょえぴょえぴょえぽう(発作)

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