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海岸に行くが、誰も居ない。

死にに来て居ないようで胸を撫で下ろした。

緊張が少し解けてドサッと座り込むと、寒くて乾いた夜空を見上げた。

満天の夜空…では無いかもしれないが、綺麗に星が瞬いている。

「どうか…」

死なないでください。と続くはずの言葉は口から出る前に消えて粉々になった。


家に帰り日常を続けている。巻き戻す前ではとっくに死んでしまった先輩だが、まだ生きている。

しかし不安が拭えない。 これまでの出来事で説得出来たとは到底思えないのだ。

そんな矢先だった。

先輩から急にメッセージが送られてきたのだ。慌てて見てみれば、それはまるで。

「遺書…」

『こんな時間にごめんね。私、君と話して考えて今まで生きてきたけれど…やっぱり限界になっちゃった。会いに行ってくる。後は絶対に追っちゃだめだからね。…先輩との約束だよ?じゃあ、さようなら』

「そんな…!?」

冷や汗がブワリと噴き出て身体が震える。家を飛び出して、無我夢中で走る。

海岸には先輩の姿なんて無かった。

「先輩!先輩ー!! 」

半狂乱になり叫ぶ。そこから先はあまり覚えていないし、先輩の飲み残しのような世界なんだから覚える理由なんて存在しない。

追うことも出来ない、出来損ないな自分は今日も懺悔する。


BITTEREND「仮命さようなら

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