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「先生、午後の診療をお願いします」


デスクに座る白衣の医師に声をかけると、


「わかりました。それでは、本日の予約の患者さんの申し送りを始めてください」


椅子をくるりと回し顔をこちらに向けて、かけている銀フレームのメガネを指の先でついと押し上げた。


──「政宗メンタルクリニック」、ここは完全予約制の心療内科で、午前は12時まで、午後は2時からの診療を受け付けている。


院長は、政宗まさむね一臣かずおみという、インテリ系の美形な医師で、


クールな容姿にメガネがよく似合って、実際そのルックスに惹かれて通ってくる患者さんも少なくなかった──。


「……午後の患者さんは7名ですね。それでは予約の方がいらしたら、案内をお願いします」


「はい」


私──永瀬ながせ智香ともかを含む4人の医療スタッフは、揃って軽く頭を下げた。



開院してしばらくして、最初の患者さんが訪れて、


同じ受付スタッフの笹井ささい真梨奈まりなと予約の確認をして、診療ルームへ導いた。


コンコンとドアをノックすると、中から「はい…どうぞ」という、低く柔らかな声音が響いた。


その人は容姿だけじゃなく、声までもが完璧に作り込まれている。


ドアを開けると、メッシュのオフィスチェアにゆったりと背中を預け、白衣から伸びる長い足を組み、 片手でデスクに頬づえをついて、かけているメガネの奥から流し見るようにこちらを眺めた。


そのにわかには信じがたい程の美麗な佇まいに、患者さんがドアの前で唖然としたような顔つきで立ちすくむ。


それを軽く促すように、


「そちらのイスに、お座りください」


そう声をかけると、


「あっ…はい…」


と、その女性はぎくしゃくとして落ち着かない様子で、慌てたように丸イスへ腰を下ろした。


──診療ルーム内は、患者さんへの負担を和らげるため、ダウンライト仕様の仄明るさになっていて、デスクで記録を取る政宗医師の手元にのみ、スタンドライトがスポット的に点いていた。


そのライトの中に、ペンを握る長くしなやかな指と、陰影を造る端正な横顔が映し出されている。


……まるで彫像のように美しく、魅惑的な男……それが、精神科医──政宗 一臣だった。

「責め恋」美形な医師は、サディスティックに迫る

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