この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません
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佐久間side
テレビを見ていたらハグしたらストレスが減るとかなんとか言うあれをやっていた。え、じゃあ俺とかこーじとかは日頃からメンバーのストレスを減らしてたのかな。そんかそういう妖精さん的な?
「ほぇーそうなんだ」
『何見てんの』
「ん?なんかハグのやつ」
『ハグのやつぅ?』
未だ頭にはてなが浮かんでぽかーんとしている舘に、テレビで得た情報を丸々伝えてあげた。ふーん、と興味なさそうな返答があったから再びテレビへ目線を戻すと隣に彼が座ってきた。俺より彼の方が身長も体重もあるから、ソファが少しだけ右側に傾く
『まだ見る?』
「いや別に、見たいやつあるなら変えてもいいよ」
『あ、ほんと?』
「うん」
『うーん…』
暫くころころ変わるチャンネルを一緒に眺めていると、ふと俺たちの顔が写った。…反射して。突然暗くなった画面は、どうやら彼が電源ボタンを押したことが原因だったみたい。この時間帯に国王のお気に召す番組はなかったか
『ん』
「…?ん、?」
『…いや見てわからない、?』
目の前には手を広げて俺をまっすぐ見つめる彼。えーなになに、可愛いんだけど!ハグ待ち?ハグ待ちって認識でいいのか?!え、俺行くぞ全然
「ぎゅー!!」
『ぅ”…ぁ”、首が…』
「あ、ごめん笑」
『大丈夫、笑』
首とか肩を回しながら笑う彼を見てちょっとやりすぎたなぁと後悔。ぶっちゃけ舘は俺のこの勢いを鬱陶しく思ってないのかな。こんな俺と付き合ってたら不満の一つや二つや三つや四つありそうじゃない?とか思っていたら、そんな不安も払拭するような言葉が飛んできた
『…多少は痛いときもあるけどさ、俺佐久間のハグ好きだよ』
「…え何急に」
『ストレス云々の話からハグしたから言っとこうと思って』
どうしたどうした、舘がデレたぞ!!翔太の影に隠れててあんま目立ってないけど、舘もそれなりにツンデレと言うかなんと言うか。そっち系だと思うんだよな俺は。そんなとこも可愛い。彼が何か言いたげだった…と言うか、多分俺がさっきの彼の言葉の真意をわかっていなかったから続き兼翻訳を促そうとよくわかってない顔を見せる、そうすると彼はもう一度口を開いた
「…?」
『あぁ、えっと…結局さ、好きな人とのハグだから幸せなんだろうなって思っただけ』
「?!涼太ぁ…、俺やっぱお前のこと大好きだわ…」
嬉しそうに、愉快そうに笑うご満悦な彼を見ると自然と俺も笑顔になる。この目の前の笑顔が愛おしくて、独り占めしたくて。もう一度、今度は優しくハグをして頬にキスをした
『…!ほっぺちゅーとか可愛いことするじゃん』
「これ可愛かった?常用してこうかな」
『じゃあ俺もなんかやろっと』
少し考える素振りを見せた直後、彼の顔が近づいてきてそのまま唇同士が触れ合った。ふ、と息を漏らして微笑んだ彼は悪戯がバレた子どものように無邪気で可愛らしかった。呆気にとられてる間にも数回続けられたキスに俺たじたじ
『今日は勇気がある日だから大サービスね』
「結構お腹いっぱいだわ…」
『ふふ、良かった』
「と言うかこれ以上やられたら多分タガ外れるし…」
『……』
無言で彼は口付けを続けた。いやいや話聞いてました?遠回しにシたくないなら今辞めときなって言ったつもりだったんだけど。それともこれはそういうあれ?
『どっちだと思う?笑』
小悪魔的なその表情に、声に、ハマって抜け出せなくなってしまったのが運の尽きだったな。とりあえず美味しく頂く前提で手を合わせてみた







