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のんの
321
Rua✨🫧
108
2,024
ー逃げ道は君になった。ー
🩷佐野勇斗 攻
💛吉田仁人 受
🤍山中柔太朗
❤️曽野舜太
💙塩﨑太智
文化祭が終わってから、数日。
俺の中には、
ずっと引っかかっていることがあった。
あの日。
勇斗先輩の背中で眠っていた俺が、
💛「……勇斗……せんぱい……」
そう寝言を言ったらしい。
もちろん、俺にはそんな記憶はない。
でも次の日。
🤍「仁人って、寝言でも勇斗の名前呼ぶんだね。」
そう言った柔太朗の顔が、
なぜか忘れられなかった。
そして。
その言葉を聞いた勇斗先輩が、
少しだけ嬉しそうに笑っていたことも。
――俺は、なんで勇斗先輩の名前を
呼んだんだろう。
考えても分からない。
ただ。
最近、
勇斗先輩のことを考える時間が増えた。
教室にいるかな。今日は屋上に来るかな。
今、何してるかな。そんなことばかり。
そして勇斗先輩を見つけると、
なぜか安心する。
目が合うだけで、少し嬉しい。
でも。
それを「好き」と呼んでいいのかは、
分からなかった。
その日の放課後。
いつもの屋上で、
俺と勇斗先輩は並んで座っていた。
いつもならくだらない話をして笑うのに、
今日は、勇斗先輩が妙に静かだった。
💛「勇斗先輩?」
🩷「……仁人さ。」
💛「はい。」
🩷「俺がいなくても、平気?」
💛「……え?」
🩷「俺と会えなくても、普通に過ごせる?」
突然の質問に、俺は少し戸惑った。
💛「……まあ。」
その一言で
勇斗先輩の表情が変わった。
🩷「……そっかぁ笑…」
💛「勇斗先輩?」
🩷「……なんでだよ。」
💛「え?」
🩷「なんでお前は、そんな平気そうなんだよ。」
いつもの勇斗先輩じゃない。
声が震えている。
🩷「俺は全然平気じゃないのに。」
💛「……。」
🩷「仁人が誰かと話してるだけで気になる。」
🩷「柔太朗と一緒にいるの見たら、嫌になる。」
🩷「太智や舜太に抱きつかれてても、なんで俺じゃないんだって思う。」
🩷「……自分でも、ほんと嫌になる。」
勇斗先輩が拳を握った。
🩷「なんで俺、こんなことばっか考えてんだよ。」
🩷「もっと普通にしてたいのに。」
🩷「仁人と会ったら、そんなの全部無理になる。」
💛「……勇斗先輩。」
🩷「学校にいても、どこにいても、お前がどこにいるか探してる。」
🩷「教室にいなかったら気になる。」
🩷「屋上にいなかったら探したくなる。」
🩷「誰かと楽しそうにしてたら、安心するはずなのに……なんか腹立つ。」
🩷「俺のこと見てないと、勝手に寂しくなる。」
🩷「……こんなの、知らなかった。」
勇斗先輩が苦しそうに笑う。
🩷「俺、こんな面倒くさい人間だったんだな。」
💛「そんな……」
🩷「違う。」
勇斗先輩が俺の言葉を遮った。
🩷「仁人が悪いって言いたいんじゃない。」
🩷「全部、俺が勝手にこうなってるだけ。」
少し沈黙。
そして。
🩷「……でも、もう無理。」
💛「……。」
🩷「これ以上、知らないふりなんかできない。」
🩷「俺だって、最初はただ心配してただけだと思ってた。」
🩷「可愛いなって思って。」
🩷「放っておけないなって思って。」
🩷「守ってやりたいって思って。」
🩷「……それだけだと思ってた。」
勇斗先輩の目が、まっすぐ俺を見る。
🩷「でも違った。」
🩷「仁人が笑うと嬉しい。」
🩷「仁人が元気だと安心する。」
🩷「仁人が辛そうだと苦しくなる。」
🩷「仁人が俺を頼ってくれたら、嬉しくて仕方ない。」
🩷「手を繋いだときだって。」
🩷「抱きしめたときだって。」
🩷「……もっとこのままでいたいって思った。」
心臓が跳ねる。
🩷「だから俺、もう自分でもどうしたらいいか分かんないんだよ!」
勇斗先輩の声が、屋上に響いた。
🩷「仁人のことになると、全部めちゃくちゃになる!」
🩷「冷静でいようとしても無理!」
🩷「嫉妬したくないのにする!」
🩷「気にしたくないのに気になる!」
🩷「会いたくないふりしたって、結局会いたい!」
🩷「……俺、こんなの嫌なんだよ!」
💛「……。」
🩷「でも――」
一瞬、言葉が止まる。
勇斗先輩は、苦しそうに息を吐いた。
🩷「……それでも。」
🩷「仁人に会わなかったことにしたくない。」
🩷「こんな自分になったのが、お前のせいだとしても。」
🩷「俺は……お前に会えてよかったって思ってる。」
そして……声を震わせながら。
🩷「……好き。」
💛「……。」
🩷「好きだよ、仁人。」
🩷「めちゃくちゃ好き。」
🩷「もう、どうしようもないくらい。」
🩷「俺、お前のことばっかり考えてる。」
🩷「俺の隣にいてほしい。」
🩷「俺を見てほしい。」
🩷「俺が一番近くにいたい。」
🩷「……誰にも取られたくない。」
最後の言葉だけひどく小さかった。
それでも、ちゃんと聞こえた。
🩷「……だから。」
勇斗先輩が、まっすぐ俺を見る。
🩷「俺、仁人のことが好き。」
🩷「……好きで、悪い?」
💛「……。」
悪くなんかない。嫌でもない。
むしろ――
嬉しい。嬉しいのに。
俺の胸の中には、あの気持ちが
そういう好きとは思えなかった。
そして俺が一番、
心臓をうるさくさせられる人。
勇斗先輩。
……俺はそういう好きなんだろうか。
分からない。だから。
💛「……少し、待っててください。」
勇斗先輩はしばらく黙っていた。
やがて、少しだけ笑う。
🩷「……うん。」
🩷「待つ。」
その声はさっきまでの爆発が嘘みたいに、
優しかった。
コメント
3件

うほほほ!!いったーーーーー!頑張れ!仁人!!!
うわぁ……ついに来たね、この瞬間🥀 勇斗先輩の「もう無理」からの爆発、すごかった。ずっと我慢してた感情が堰を切ったみたいに溢れてきて、読んでるこっちまで息が止まった。「好きで、悪い?」って最後の決め台詞、心臓にきたよ。 仁人の「待っててください」がすごく仁人らしくて、あの一瞬の沈黙に二人の空気が詰まってた。次が待ちきれない……!