この人の、ものです?
奈緒「え、ッ…ぇ、!?!?」
樹「奈緒は時のでしょ?だからこういうときは時の隣に座るんだよ」
俺とんでもないことした?
時にも翠にも
失礼な、こと…
時「奈緒はこっちだよ」
時は隣をぽんぽんと叩く
俺は何も言わず時の隣へと移動した。
樹「気にしなくていいよ〜」
時「俺もそんな気にしてないから」
奈緒「…ぅん」
自分の過ちと共に彼らは凄い人だということを再確認する。
俺が奴隷であったこと
この事実はどう足掻いても変わらない。
あまり調子に乗らないようにしようと心に誓った。
樹「ねぇ、奈緒は金平糖って食べたことある?」
奈緒「何それ… 」
樹「簡潔に言っちゃえば砂糖の塊なんだけどね、今手元にあるから食べるかな〜って」
樹はそう言うと俺の目の前に和紙で包まれた小包を差し出した。
樹「これ食べてみな」
奈緒「…時、」
時「一々俺に確認取らなくて大丈夫だから、奈緒が自分で選びな」
奈緒「じゃあ…頂きます」
小包を破くと歪な形をしたものが出てきた
砂糖の塊と言われても砂糖を食べたことがないせいで味の見当がつかないのだが
恐る恐る口に含む
途端、優しい甘さが口内を包んだ。
樹「美味しいでしょお〜!うちの自慢の和菓子なんだよねぇ」
湊「樹〜俺も食べたい」
樹「残念でしたぁ、1袋しか持ってませ〜ん。食べたかったら梅香堂に買いに来てくださ〜い」
湊「くそぉ…」
時「おいし?」
少し言い合う2人を横目に時が話しかけて来る
頷くと時は嬉しそうな顔をした。
時「1つ頂戴」
奈緒「ん、」
時「ありがと。ぁ〜うま」
時「よし、食べ終わったね。帰ろうか」
奈緒「え」
翠の仕立て終わったあと見たかった…
時「あ、まだ話してたい?」
奈緒「いや…」
時「そ、」
樹「え急すぎ〜!!」
湊「ちょっとぐらいゆっくりしていけばいいのに」
時「奈緒にはまだ教えないといけないこと沢山あるから。じゃ、これからもお世話になります」
時は会計の机に金貨を数枚置くと引き戸を開けて店から出ていった。
樹「時が嫌になったらいつでもうち来ていいからね!翠と待ってる」
湊「そうそう、うちか梅香堂に逃げ込んでくれたら時は何とかするから」
店から出ようとした時、2人にそう言われた。
奈緒「…お世話になります!!」
しっかりと頭を下げて、時を追いかけるように店を出た。
奈緒「ちょ、っと…時早い、、!」
時「2人と話してるからでしょ、奈緒が遅いだけ。」
奈緒「わかってるよ…」
暫く時と花街を歩いてわかったことがある
この花街は昼でも随分と賑わっていること。
人気の梅香堂と桜織店が揃ってるからっていうのもあるかもしれないけど
時に挨拶をする遊女らしき人も何人かいた
それに自然と返す時も、慣れているようだった。
俺の事は反吐を見るような目で見てたけどね
外に出る度にこれが続くと考えると勘弁してほしい
冷たい目にも慣れたつもりではあるんだけれど。
そんなことを考えているとまた別の店に着いた。
桜織店とはまた違った雰囲気の店
店主「津金さん、お晩方です」
時「…こんばんは。」
多分、店主であろう女性が時に対して艶めかしい声で挨拶をする。
これ、俺も挨拶したら明らかに嫌そうな顔されそうだから辞めておいた。
店主「何をお探しでしょうか?」
時「簪を」
簪…ふーん。誰に贈るんですか??
店主「では此方は如何ですか?」
時「あぁいえ、女物ではなく男物を。」
??時も男が好きだったり…
店主「そ、それでは此方を….」
時「奈緒、どれがいい?」
奈緒「…俺?」
時「うん。奈緒の簪探してるんだけど」
奈緒「俺簪あるけど」
時「あるから買わなくていいってことにはならないからね。ほら選んで」
ここの簪のガラス玉は何故か汚れて見える
桜織店の簪の方が何倍も綺麗で輝いて見えた。
それは高価な店だから?
否、瑠依が楽しそうに着付けしてくれたから
気持ちが籠もっていたからだ。
奈緒「….いらない。」
時「簪じゃないのがいい?」
奈緒「何も要らない。」
時「ん、わかった」
店主に睨まれた気がしたけど、いや睨まれたけど
気にしないことにした。
時「そんなに俺から貰うの嫌?」
店を出て数分後、時が話しかけて来た。
奈緒「そうじゃなくて…簪は桜織店の方が綺麗だなって思っただけ。」
時「へぇ〜…全然わかんなかったな。桜織店の簪だったらいいってこと?」
奈緒「別にいらないけど…桜織店高いし」
時「17歳が費用気にしなくていいよ馬鹿。」
奈緒「ば…っ!?」
nk「時何処行ってるの…?」
遊女が寝泊まりする本館はもうとっくに過ぎた
時「また本館で寝たいの?」
奈緒「え、やだ」
時「ここ別館。今日から奈緒はここで寝るの。」
奈緒「あ、別館…!?」
時「この部屋は奈緒と同じ歳ぐらいの男娼しかいないから。入ってから色々聞いて」
振り向いた時にはもう時はいなかった
いつも思うけど説明不足過ぎる。
恐る恐る襖を開けて中を見渡すと、1人の少年が布団を敷いていた。
?「えっ、こんにちは…?」
奈緒「こんにちは… 今日からここで寝泊まりさせてもらう向井奈緒です、」
?「あ、津金様が言ってた人かな?僕出雲琥珀。宜しく!!」
奈緒「宜しく〜…」
何かなんとかなりそうかも。
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多分そんなに日空いてないけどお久しぶりです
これ大丈夫?
フォロワーさんが続き読みたくなるような内容してるのかな
投稿するの不安ですー!!😇
コメント
4件
この作品めっちゃだいすきです、! 続き読みたすぎます!💞
読みたくなるような内容です!!!🫵🏻🩷たのしみにしてます🙌🏻