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「おっはよー」
いつもの軽めのノリで、教室に入っていく。
「おはよう凪ちゃん。」「あっ、おはよー!」
転校してからだいぶ月日が経った。
話しかけてくれる子たちも増えて、サイコーにいい気分!
「今日って体育祭までポッキーだよね?」「ポッキー?」「私ね、11のこと、よくポッキーっていうの。体育祭まで、あと11日!」「なるほど、そういうことなんだ。」「そういえば、今日から徒競走の練習だよね?誰と走るんだろうな〜ドキドキするっ!」
明希はワクワクした顔で、ルンルンと席についた。
徒競走、別名”かけっこ”はうちも超楽しみだし、どのメンバーでも全然オッケー!
ぜ、全然、オッケー!
うちと同じ女子の最後尾に並ぶメンバー8人を見て、自分にそう言い聞かせてみせた。
うち、完全に忘れてた!
徒競走のメンバー、クラスごちゃまぜで決まるんだよね…………!
2年生は3クラス編成で、1クラス32人。単純計算で2年生は96人。そこから男女がちょうど48人ずつだから、男女別で徒競走で一緒に走るメンバーを6人ずつ決めていく。
1組はうちと、離れた席の鈴田生華ちゃん。
で、うちにとって2組と3組のメンツがちょい無理なんだよね。
2組の早田くららちゃんと3組の早田るららちゃんは双子で走る。かわよい2人。
2組の篠原亜美ちゃんと3組の秋村黒羽ちゃんが問題児?らしくって。
「私、実はね………」
明希が、休憩の時にこっそーりと教えてくれた。
「タバコ?」「そう。2人がタバコを吸っているところを見ちゃった1年の子が、いじめられているのを見ちゃったのよ。」「見られているのをさらに見たってこと?」「まぁ?「「この事を先生に言ったら、あんたにはそれ相応の罰を下す」って脅しをかけられてるみたいなの。かわいそうねぇ。」「それ明希が言えばいいじゃん。」「うーん…でもあの2人は成績も優秀だし、わた……………………うん。」
明希は何かをためらったような顔をして、グラウンドに出た。
「罰を下すって…性悪!やっちゃいけないことをしたのは2人なのに。」「そうだねー。ねぇニャカミ、2人をニャカミの力でシバいたりできないの?」「無理ね。私の力は、生き物をイジメるための物じゃないから。」「名言?」「違うわよ。」
ニャカミは照れた顔をしたけど、一瞬でその顔をしかめた。
「にしても、夢城明希はなんなのかしら?篠原亜美と秋村黒羽の敵なのか味方なのか……。」「まぁ、明希が言わないなら、うちも言わない!明希の幸せはうちの幸せだから!」「名言ね。」「違うよっ。」
にしても、明希の言う事が分からなくもない気がした、気がした。
休憩が終わって、1回練習で走ってみたんだけど、あの2人は異常に速くて、うちはなんとかギリギリ3位に潜り込んだ。
2人は足も速いし、明希の言う通りだったら勉強の成績もいいってことは、文武両道の中でも優秀なほうなんだと思う。だけど、明希があの2人をかばってるのは、それじゃ理由にならない、はず。
「だよね…?」「凪あんた何言ってんの?」「ナンモナイトー」「何言ってんの?」