佐久間「俺、バレンタイン照に告白する」
深澤「……え、」
佐久間「だからそれまでにふっかも心決めといて、」
深澤「……………………」
2月の初め、お昼を食べていると佐久間にそう言われた
俺らはお互い同じクラスでそのクラスの岩本照、と言う奴に恋心を抱いていた
佐久間「俺より先に告白したっていいし、なんでもいいけど。」
佐久間「俺はバレンタインに告白する、!!!!」
佐久間「…俺、本気だから。」
そう言う佐久間の目は獲物を逃がさない、捕らえる動物の同じ目付きだった
俺らは性格がまるで違う。
唯一の共通点が照を好きってことだけ。
佐久間はめっちゃうるさくてクラスのおしゃべり担当。
照も言えばそっち系だから話は合うと思う、
でも俺は自分からそうゆうのにはガツガツ行く人じゃない。
俺なんか混ざったって無駄だし邪魔になるだけ。
だから俺はよく、隣の席の渡辺と話している。
深澤「はぁぁっ、どうしよ、」
渡辺「………お前そんな分かりやすく隣で落ち込まれた人の気持ち考えろや。」
深澤「だってさぁ、…もう俺学校辞める、」
渡辺「はぁ?アホじゃね。」
深澤「…いいよな、翔太は。涼太くんと幸せで、」
渡辺「ふん、まぁな笑」
深澤「だりぃ〜、」
渡辺「お前も積極的に行けって」
深澤「ん〜、…それがいけたら苦労してないって、」
渡辺「佐久間はバレンタインに告白すんだろ?」
渡辺「ん〜、………あっ!!!!!」
渡辺「お前今日から涼太ん家行け!!!!!」
深澤「はっ、!?!?なんで、!?」
渡辺「涼太ってまじで料理うめぇんだよ。」
渡辺「だから今日から涼太とチョコ作んの特訓しろ!!!!!」
深澤「……え、いいの?」
渡辺「彼女がいいって言ってんだからいいんだよ!!!」
渡辺「後で涼太に連絡しとく!!!」
深澤「お前良い奴すぎだろぉ、」
翔太はたまに馬鹿だしいっつも口悪いけどいざとなったらいっつも協力してくれる。
涼太君も凄く協力的らしくてそういうとこに惹かれたとかなんとかって言ってた笑
とまぁこんな感じで俺のチョコレート大作戦が始まったのである……
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そして迎えたバレンタイン当日。
あの日から毎日毎日チョコを作り続けた。
宮舘『んっ!!!!めっちゃ美味しぃ!!!!』
深澤『ほんとに、!?!?』
宮舘『うんっ!!!!翔太も食べてみ!!』
渡辺『……うまぁっ!!!!これは照もいちころだわ。』
宮舘『ラッピングは余ってたの渡すから!!』
宮舘『明日、頑張ってね…!!!!』
渡辺『まじで頑張れよ!!!!』
深澤『2人ともありがとう…!!!』
深澤『うん、頑張る、、!』
チョコは完璧に出来た、
後は、告白だけ、
渡辺「ん〜、!!!おはよ、」
深澤「お、おはよ、」
渡辺「…え、なんでそんなガチガチなの。」
渡辺「なんか悪いもんでも食った?」
深澤「い、いや、ち、がくて、」
渡辺「え、まさかお前きんちょーしてんの??」
深澤「………………」
渡辺「お前あれほど大丈夫だって言ったろ??」
深澤「うん、…そうだよね、頑張る、」
渡辺「お前が振られる事なんて絶対ないから、」
渡辺「こんなに努力したんだから、」
肩を掴みながら話してくる渡辺
深澤「ありがとう、俺頑張るわ、」
渡辺「お前ならいける。絶対いけるから。」
6限終わりのチャイムが鳴る
佐久間「照、帰りのHR終わったら少しいい?」
岩本「ん?あぁいいよ笑」
そして帰りのHRが終わった
渡辺「はぁぁっ!?!?」
渡辺「結局チョコ渡せなかった!?」
深澤「ごめんってっ、!!」
靴を履き替えていると大声でそう叫ばれてしまった
深澤「中々タイミングが見つからなくて、…」
深澤「涼太くんもほんとにごめん、」
宮舘「しょうがないよ笑 」
渡辺「そんなんだから佐久間に取られるんだろ〜」
渡辺「今頃付き合ってたりして。」
宮舘「ちょっと翔太、…!!!」
深澤「………そうだよね、笑」
深澤「やっぱり俺なんか、釣り合うはず、ないんだよね、笑」
深澤「俺こんな性格だし、笑」
渡辺「……………、」
宮舘「…………、」
あぁほら、また人を困らせてしまった
こういうとこがダメなんだって、
渡辺「…じゃぁ、俺ら先帰ってるから、」
渡辺「…またな、」
深澤「うん、ばいばい、笑」
どんどん小さくなっていく2人
いいな、幸せそう。
俺はいっつもこうだ。
人よりネガティブに考えて、それでいっつも相手を困らせる
あぁあ、バッグに入ってたチョコ、
少し熔けてきちゃった、
歩けば歩く度、前に進めば進む度、
自分がどれだけ惨めなのか、思い知らされる。
自分も佐久間みたいだったらすぐに告白するのに、
チョコだってすんなり渡せるのに、
深澤「結局、全部俺のせいじゃん、笑」
深澤「会いたいなぁ、照、に、」
岩本「ふかざわ、っっ…!!!!!」
後ろから俺の苗字を呼んだのは、
照だった
深澤「…へっ、」
岩本「なんで帰っちゃうんだよ、」
岩本「…俺、お前からチョコ、貰ってない。」
深澤「…あぁ、笑そういう事、」
なんだ、期待しちゃったじゃん、
チョコ貰いに来ただけか、笑
深澤「はい、これ。」
深澤「少し溶けちゃって、…ごめんね、」
岩本「……ありがとう、めっちゃ嬉しぃ、」
岩本「今、食べてもいい、?」
深澤「俺のでよかったら、笑」
丁寧にラッピングを解いてはチョコを口に入れる
岩本「ん〜…!!!!最高に美味しぃ、」
岩本「やっぱり、好きな人が作るチョコって格別に美味しいね、」
深澤「……えっ、……」
深澤「いっ、いま、なんて、」
岩本「ん?だから、」
岩本「好きな人が作るチョコは格別に美味しいねって言ったの。」
深澤「うそ、まさかっ、」
深澤「照の、好きな人って、」
岩本「深澤。お前が好き。」
深澤「ッッ………!!!!!」
岩本「え、何その初めて聞きましたみたいな反応。」
深澤「いや、だって、」
岩本「え?俺結構分かりやすかったと思ってたんだけどな〜、」
岩本「俺ずっと好きだったよ?」
深澤「……うれしぃ、」
思わず顔を手で隠してしまう
俺今絶対やばい顔してる。
岩本「ねー深澤は?俺だけっておかしい!」
深澤「あのっ、……俺も照が、好きです、…///」
岩本「え、っ、…まじ、?」
深澤「俺も、…ずっと好きでした、…///」
岩本「…まじか、///」
あ、照めっちゃ耳赤い、笑
岩本「じゃぁ、改めて、」
岩本「辰哉、俺と付き合ってください、」
深澤「こんな俺で良かったら、お願いします、」
岩本「やったぁっ!!!嬉しすぎ、」
深澤「てか名前呼び…///!!!!」
岩本「ふふっ、たーつーやっ、!!!!」
深澤「恥っず、…//!!」
ピコンッ
宮舘「翔太?通知来てるよ」
渡辺「え、深澤からだ。」
深澤『無事に照と付き合えました〜!!!』
照が深澤の頬にキスしている写真が添付されている
渡辺「なんだよあいつら幸せじゃねーか笑」
宮舘「見るからに幸せそう笑」
渡辺「…涼太もチョコ欲しかったよね、ごめん、」
宮舘「は?何言ってんの笑」
宮舘「俺はチョコより甘い翔太が欲しいな〜???」
渡辺「…!!!」
渡辺「ごもっともです、…///」
[END]
季節外れです((
コメント
5件
季節外れでも、こんな神作つくれるのスゴすぎる…
季節外れでも好きです、なんなら今だからこれが余計最高ですദ്ദിᐢ- ̫-ᐢ₎
季節外れだけど甘々で好き! 甘い感じが伝わってくる!