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留学生活が始まり、日々は忙しく過ぎていく。
ミユは音楽学部で注目され始め、
演奏会や研究、教授からの課題に追われるようになった。
一方、コビーは言葉の壁に苦しみ続けていた。
授業中、聞き取れない単語。
議論についていけない焦り。
周囲の学生との距離。
夜、マンションで二人並んで食事をしても、
会話は必要最低限になることが増えた。
「……会長」
「なに」
「最近、お忙しそうですね」
「そうね」
それ以上、踏み込めない。
僕が弱音を吐いたら、
会長の負担になる気がして。
“攻めたら負けだ”
そう思って、黙ることを選んでいた。