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33話「残された記録」
狭い部屋
壊れた机
散らばった紙
そして――銃。
スーツの男の銃口は、まだ駆人たちに向いている。
だが今、その男も戸惑っていた。
入口に立つ女性。
No.05。
スーツ男達が低く言う。
男達「……誰の指示だ」
No.05は答えない。
ゆっくり部屋の中へ入る。
コートのポケットに手を入れたまま。
莉々の声が小さく震える。
「生きてたの……」
No.05は少しだけ笑う。
「残念だった?」
莉々は首を振る。
莉「違う」
短い沈黙。
駆人は二人を見ている。
男「知り合いなのか」
莉々が答える。
莉「同じ研究所」
そして言った。
莉「一緒に逃げた」
スーツの男達の目が鋭くなる。
男達「逃げた?」
No.05が肩をすくめる。
「途中で別れたけどね」
スーツの男は苛立った声で言う。
「無駄話は終わりだ」
銃が少し上がる。
「カードを渡せ」
駆人は動かない。
メモリカードはまだ手の中にある。
No.05が言う。
「それ渡したら終わりよ」
スーツの男が笑う。
「当然だ」
「証拠は消す」
部屋の空気が重くなる。
その瞬間。
No.05が動いた。
机の上のコップを蹴る。
「ガシャン!!」
ガラスが割れる音。
スーツの男が一瞬視線をそらす。
その隙。
莉々が机を押し倒す。
ドン!!
男達の銃が天井に向く。
パンッ!!
銃声。
駆人が男たちにぶつかる
三人がもたれる
銃が床に落ちる。
男達が叫ぶ。
「くそっ!」
No.05が銃を拾う。
カチッ。
銃口が男達に向く。
部屋が静かになる。
No.05が言う。
「終わりよ」
スーツの男は動かない。
数秒の沈黙。
そして男達はゆっくり手を上げた。
「……分かった」
No.05は銃を下ろさない。
「帰って博士に伝えなさい」
男が睨む。
「お前……裏切ったのか」
No.05は少し笑う。
「最初から味方じゃない」
男は何も言わず、ゆっくり部屋を出て行った。
足音が遠ざかる。
静寂。
男がいなくなったあと。
駆人が言う。
「……どうして助けた」
No.05は答えない。
ただ、駆人の手を見る。
メモリカード。
「それ」
「早く確認したほうがいい」
男が言う。味方側の男が言う
男「パソコンある」
机の横。
古いノートPC。
電源を入れる。
画面がゆっくりつく。
駆人の手が少し震える。
メモリカードを差し込む。
フォルダが一つだけ表示される。
名前。
「KALETO へ」
駆人の目が止まる。
莉々が小さく言う。
「かる、と」
駆人はクリックする。
動画ファイル。
再生。
画面が暗くなり――
一人の男が映る。
優しい顔。
駆人の呼吸が止まる。
駆人「……兄ちゃん」
画面の中の男が話し始める。
「駆人」
「もしこれを見てるなら」
少し笑う。
「多分、俺はもう生きてない」
「実はね、俺未来分かってたんだ。」
「止められなかったけどさ」
駆人の手が震える。
兄は続ける。
「そして研究所は普通の施設じゃない」
「人間の記憶を操作する実験をしてる」
部屋の空気が変わる。
男(友人)が驚く。
「記憶……?」
兄の声が続く。
「被験体の記憶を書き換える」
「人格も」
「感情も」
莉々の顔が青くなる。
海斗は言う。
「つまり」
「人間を作り替える研究だ」
No.05の目が暗くなる。
画面の中で兄が真剣な顔になる。
「そして一番危険なのは」
少し間。
「スポンサーだ」
駆人の眉が動く。
兄の声が低くなる。
「研究所の後ろにいるのは」
そこで動画が一瞬止まる。
ノイズ。
画面が乱れる。
そして最後に一言だけ残った。
「信じるな――警察を」
画面が真っ暗になる。
部屋の中。
誰も言葉を出さない。
駆人が小さく言う。
「……どういう意味だ」
No.05が静かに答える。
「簡単よ」
駆人が見る。
No.05は言った。
「研究所のスポンサー」
少し間を置く。
「それは警察の中にいる」
見てくれてありがとうございます!
書くことないのでさよなら。。
コメント
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次どうなるか気になって仕方ないです!梵天の皆んなもこれから活躍するのかな?楽しみにしています♪