テラーノベル
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「おい、ふっか!起きろ!」「お?うん…ひかる?何、え?俺まだ寝てんだけど…」
まだ半分夢の中にいそうな声で、深澤が答える。
「早く起きろ!で、こっちに来て!」
「う、う。ん…いや、昨日仕事で遅くてさ。もうちょい寝かせ…」
「寝てる場合じゃないんだって!いいから早く!」
岩本に叩き起こされた深澤が大きなあくびをしながら、長屋まで歩く。
こんな朝早くから一体なんなのか…。
よほどのことでなければ、今日は照に寿司でも奢ってもらおう。
そんなことぼんやり考えていた深澤は、長屋の土間を見て、一気に目が覚めた。
「ちょちょちょ、何、これ?」
そこには、白っぽい子猫と子犬?と戯れラウールがいた。
よくよく見れば、側にある段ボールには、グレーの子猫がスン…とした顔をして、その様子を眺めているではないか。
「岩本くん、この子たちさっき起きた。めちゃくちゃ元気だよ!」
そう言って満面の笑みで、目黒が白と子犬を抱え上げる。
「よかった…。弱っていたら、どうしようかと思っていた…。」
そういうと、岩本はグレーの側に寄る。
にゃぁ…とまんざらでもなさそうな声をあげて、その手にすり寄る。
「これ、誰が拾ってきたの?」
深澤がようやく声を出す。
「俺。観音舎に寄ったら、いた。」
グレーを抱え上げて、深澤に近づける。
「可愛いだろ?」
「うん、可愛い…って、 ちゃ、ちゃちゃ!違うのよ、なんで拾ってきちゃったんだよ?」
差し出されたグレーを抱えながら、岩本を問いただす。
「扉開けた時はいなかったんだよ。だけどさ、帰りになんか胸騒ぎがして寄ってみたら、いたんだよ。」
「だから?」
「放っておけないだろ?こいつら…。」
岩本目が若干潤んでいるのは、気のせいだと思いたかった。
「こんな可愛い子たちを捨てるなんて、許せない…。」
「ラウもそう思うだろ?」
「それはそうだけどさ…。」
「なぁ、ふっか。ここペット不可?こいつら、ちゃんと世話してやりたい…。その分の家賃、上げてもいいからさ…。」
もちろん、ここは深澤の持ち物なので深澤が良ければ、それでいいはずだ。
難しい顔をした深澤が二人を見ながら、唸る。
「生き物の世話は想像より大変なんだよ。餌代もかかるし、毎日散歩したり、病院にも行く必要がある。長期で家も開けられなくなるぞ?」
「長期で家開けるなんて、何年もやってねえよ。」
「俺もないなぁ。それに、いざとなったら、実家あるし。」
「一緒に連れて行けばいいんじゃない?」
白と子犬も深澤を見上げる。
「お前ら…全員揃ってそんな悲しげな目で俺を見るな!」
子犬を撫でながら、深澤が叫ぶ。
「飼ったらダメなんて、言ってないだろ!?ちゃんと責任取れるかって話し。小さくても命なんだから、大切にしろってこと!」
そう言って深澤は立ち上がり、その場にいる全員を見返した。
「お前ら、覚悟…できてんの?」
「「「もちろん!」」」
「じゃあ、ちゃんとルールを決めて、四人で世話してやろうぜ。」
やったー!という声が長屋アパートを包み、新しい住人たちも喜んで四人に駆け寄っていった。
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