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ジョセフとポテトは、ついに鬼ヶ島へとたどり着いた。
ジョセフ「あれ、桃次郎は?」
秘書「はい、桃次郎様はキャットタウンからヘリで先にホテル旅館に到着しておりますので」
二匹は長い航海の末、やっとのことでこの伝説の地に足を踏み入れた
しかし、彼らの目の前に広がる光景は、古の物語で語られていたものとは大きく異なっていた。
鬼ヶ島は、まだ開発中のためか、工事のための重機や車が至る所に放置されていた。
大きなクレーンが空に向かってそびえ立ち、土埃が舞い上がる中、
未舗装の道が島の奥深くへと続いていた。ジョセフはその光景に一瞬呆然とし
ポテトも驚いたように耳を立てて周囲を見渡した
桃次郎の秘書は、ジョセフとポテトを車に乗せ、
ホテルへと案内するために運転を始めた。
「これから私たちのホテルに案内いたします。
ごらんの通り、島はまだ開発中ですので、あまり外には出ないでください。」
秘書は後部座席のジョセフに向かって言った。
ジョセフは窓の外を見ながら眉をひそめた。「開発中では島の魅力を十分に伝えられないのでは?」
秘書は微笑みを浮かべながら答えた。「もちろん、ホテルの周辺はほぼ完成していますので、
ご安心ください。ジョセフ様には、私たちがご案内する観光スポットをアピールしていただければ問題ありません。」
ジョセフは少し戸惑いながらも頷いた。「そ、そうか。」彼は窓の外に目をやり、周囲の景色を見つめた。
その瞬間、彼の目に飛び込んできたのは信じられない光景だった。鬼が大量の土を荷台に積んでいる姿が見えたのだ。
「な、なんだあれは?あれが鬼…!!」ジョセフは驚きのあまり声を上げた。
秘書は淡々と答えた。「はい、ここは鬼ヶ島ですから。」
ジョセフはさらに驚き、「鬼が働いているんだけど?」と続けた。
「もちろんです。私達と共存しているんです。鬼たちは働いて、その対価をもらい、家族を養います。
私たちは彼らに幸せな暮らしを提供しているのです。」秘書は誇らしげに言った。
ポテトは不安げに耳をピクピクさせ、「こ、怖くないんですか?」と小さな声で尋ねた。
秘書はふっと笑いながら、車を道端に止めた。
「怖がる必要はありません。鬼たちは私たちの仲間です。彼らも私たちと同じように暮らしを営んでいるのです。」
秘書は車を止め、ゆっくりと車から降りた。ジョセフとポテトは車内で緊張しながら周囲を見渡していた。
彼らの目の前には、恐ろしい顔をした鬼たちが仕事に精を出している姿が広がっていた。ジョセフとポテトは、
その異様な光景に息を呑んだ。
秘書は鬼たちに近づき、手を振った。すると、鬼たちは秘書に向かって手を振り返し、
笑顔で「これは、これは秘書様でねーか、お元気どえすか?」と優しい口調で話しかけてきた。
「ご苦労様。あまり無理をしないでくださいね。」秘書は鬼たちに向かって温かく声を掛けた。
鬼の一人が嬉しそうに答えた。「ありがとうごぜぇます。開発が早く進むよう頑張りもす!」
そのやり取りを見ていたジョセフとポテトは、驚きと戸惑いの表情を浮かべていた。
鬼たちの恐ろしい外見とは裏腹に、その態度は非常に友好的だった。
秘書は再び車に乗り込み、ジョセフとポテトに向かって微笑んだ。「どうですか?怖くないでしょ?」
ジョセフとポテトは、お互いに顔を見合わせてゴクリとつばを飲み込んだ。
「あ、ああ、そ、そだね。」ジョセフはまだ驚きを隠せない様子で答えた。
ポテトも小さく頷きながら、「本当に、予想と全然違う…」と呟いた。
車は再び動き出し、ジョセフとポテトは鬼たちの働く姿を窓越しに見つめていた。
彼らの心には、恐怖と同時に新たな興味が芽生えていた。鬼ヶ島での冒険は、
彼らが思っていた以上に不思議で、予測不能なものになりそうだった。
「これからもっと驚くことが待っていますよ。さあ、ホテルに向かいましょう。」
秘書はそう言いながら、車を運転し始めた。しばらく走ると、豪華なホテルが見えてきた。
「さあ、ホテルに到着しました。どうぞ、こちらへ。」
ジョセフとポテトは、秘書の後に続いて車を降りた。
目の前には美しいリゾートホテルが広がっており、その周囲は開発がほぼ完了しているように見えた。
ジョセフの心にはまだ多くの疑問が残っていたが、彼はこの島での新たな冒険に期待を抱き始めていた。
「さあ、ジョセフ様。これからが本当の鬼ヶ島の魅力をお見せします。」
秘書は微笑みながらそう言い、ホテルの入り口へと案内した。
ジョセフとポテトはホテルの部屋に案内された。そこはスイートルームで、
窓からは広大なオーシャンビューが広がる豪華な部屋だった。ポテトはその豪華さに目を輝かせ、
「こんな豪華な部屋に泊まれるとは、先輩の知名度は流石ですね!!」と感嘆の声を上げた。
ジョセフも驚きを隠せず、「まあな、これも日ごろの行いのおかげよ」と自慢げに言った。
ポテトは興奮した様子でテラスへ出て、双眼鏡を手に取り辺りを見渡した。
「先輩!商店街にセクシーナイトパブがありますよ!」と叫んだ。
ジョセフはその言葉に目を輝かせ、「よし!今夜はフィーバーだ!」と声を上げた。
ポテトも「いやっほう!」と叫び、2匹ははしゃぎながら夜の計画を練った。
夕食の時間が訪れ、彼らには豪華なディナーがふるまわれた。桃次郎がにこやかに
「さあ、当ホテル自慢のディナーコースです。どうぞお召し上がりください」と勧めた。
ポテトは感嘆の声を上げた。「さすがリゾートホテル、いつぞやの貧乏村の夕食とは違いますね!」
ジョセフは笑いながら、「はは、これもすべてオレ様のおかげだな」と自慢した。
ポテトも同意し、「その通りでございます、先輩」と言いながら、美味しい料理を堪能した。
ディナーが進む中、桃次郎がジョセフに話しかけた。「ジョセフさん、親善大使の調印式は3日後です。それまでゆっくりこの島を楽しんでください。」
ジョセフは驚いた様子で「調印式?」と尋ねた。
桃次郎は頷き、「ええ、親善大使としての契約です。その日は警察のお偉い方も見えますので、
絶好のアピールポイントですよ」と説明した。
ジョセフは少し緊張しながら、「なんか緊張するな...」と呟いた。
桃次郎は優しく笑い、「大丈夫です。形だけのものですから」と励ました。
ジョセフはその言葉に少しホッとし、再びディナーを楽しむことにした。
彼とポテトは、これから訪れる未知の世界に期待を膨らませながら、目の前の豪華な料理を堪能した。