──────いえもん視点──────
ノイズと俺は苦悩している。
今は、みんなの記憶を取り戻す方法考えているのだ。まず前提として、記憶がない(ノイズがかかって思い出すことが出来ない)原因は敵側からの攻撃である。その攻撃と言うとは物理的なものではなく精神、つまり記憶に関わるもの。そして、仮に記憶操作系の能力ということにしよう、その能力を消すためには強い光属性が必要なのだ。それもとびきり正確な場所に。
これが今の俺とノイズがまとめた結果である。
ちなみに俺は光属性を扱うことが出来ない。そのため、俺がやるというのは無理だ。ノイズは相手の記憶のノイズのかかっている場所が性格に分からないため、下手したら記憶喪失になる可能性がある。その可能性がある中で使う、というのは無理だろう。
「村民達の誰かしらの協力を仰ぐ…?」
ポツリ、と独り言のように呟いてみる。しかし、ノイズは力無く首を横に振る。
「その協力をしてくれる1人目がいないんだよね…いたとしても頭の中覗ける人くらいしか…」
ノイズが力のこもっていない声で淡々と、しかし残念そうな含みを持たせて喋る。頭の中を覗ける人。そんな人はこの世のどこにも…
「…あ」
どうしたの、とノイズが聞いてくる。今思い出せば頭の中を覗ける人がいる。記憶が読める、というところまでは確証は無いが、心を読める狐ならばいるのだ。
…不服ではあるが、この人にかけるか。
「いや…村民の中に空気が読めないくせに頭の中を見れる九尾がいるんですよね〜」
俺がにやけながら言うため、ノイズは若干ひいている。まあ、それを口にしないだけまだ優しいのだろう。
そう、心を読めるということは頭の中を覗いているのと一緒なのでは!?と不確定だが、まだ可能性があるものを見つけたのだ。少し興奮した頭を冷やし、改めて、ノイズに提案する。
「どうですか?賭けてみません?」
ノイズは顎に手を挙げ、少し考えるポーズをとる。ノイズはギャンブラーでは無い。確実に、堅実物事を進めるタイプであろうということは同じ体に住む俺が1番知っている。
ノイズは覚悟が決まった目で俺を見つめる。
「…わかった。その提案にのりましょう。その代わりに──────」
「…わかりました。元々そのつもりでしたし。」
「それなら良かったです。それでは、そろそろ起きましょう。」
そうノイズが言うと、水晶が明るく光り出す。
眩しい、と思い思わず目を強く閉じる。
あれ、ぐさおさんとの戦いを思い出す意味があるのだろうか…?
目を覚ませば、前にも来たことがあるメテヲさんの研究室だろう。ビーカーや薬品の数など所々違うところはあるが、大まかな配置や色は変わっていなかった。
目を開け、きょろきょろと周りを見渡せば以外にも探そうとしていたれいまりさんがたった一人でベッドの近くの丸い椅子に腰掛けていた。
俺が起きたことに気がつくや否や、こちら側に淡々と挨拶をしてくる。
「どうも、東雲椎名です。…まあ、知っての通りSれいまりです。」
なぜ最初に嘘をついたのか、なんて少し疑問に思うがまあいいだろう。それにしても好都合だからといってれいまりさんが単独行動する、しかもメテヲさん達を追い払ってまで2人っきりにする。までするとなると流石に身構える。
「あぁ、身構えなくていいです。それと、そのふたつの疑問については後でお答えしましょう。」
れいまりさんは声に出していない疑問について言及する。そこには明るいれいまりさんはいなく、敬語を扱い、言葉には鋭さが帯びていた。
「わかり…ました…」
とりあえず従順に従っておく。しかし、俺になんのようなのだ、と気になってしょうがない。こんな時に読心術が欲しいのに。俺が欲しいと思った力を持っているのはあちら側だ。迂闊に何かを思うことが出来ない。
「…さて、挨拶を済ませておきましょう。おはようございます。勇者さん?」
その言葉に俺は思わずにやける。
──────れいまり視点──────
みんな突然いえもんさんがぐさおさんを倒した後に倒れたことで全員がパニックとなった。私は全てを知っているため、何も驚かなかった。しかし、全員の心を読めば、いえもんさん対ぐさおさん、という記憶がほぼ全員に共通してなかったのだ。
…2人を除いて。
その二人は正確に何があったのか理解していたのに、記憶が消えたかのような動きをしていた。その時はおおやけにしなかったが後で問いつめるつもりで。
いえもんさんが戦った時に、明らかに声も、記憶も異なる人が剣を振っていた。それをさもいえもんさんが戦ってます、みたいなことを思いながら戦ってた時は非常に滑稽だった。
…ここからは他のところも混みしてはいるが、一旦割愛させてもらおう。
なんだかんだ、私と勇者しかこの部屋にはいない。人間というのは複雑なくせに単純なのだ。
質問をすれば答えなくても、その質問の答えを心の中で思ってしまう。そのため情報を入手するのは簡単なのだ。
さて、ひと勝負といこうか、勇者さん?
ここで切ります!!2日ぶりの投稿を許してください…言い訳するならば時間と充電がなかったです。今日は投稿できたので!!!うん!!!また毎日投稿再開していきます!!
同時並行の物語については毎日投稿、という訳ではなく、週1などになると思います!!ご把握お願いします!
それでは!おつはる!!
コメント
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Srさんの能力やっぱやべえわ、、いや心を読む能力がヤバいとか当たり前やけど、、いや設定の活かし方凄いな、、 まじで最高このためだけにいるといっても過言じゃない()
相手の考えが分かるって能力がサブじゃないの普通に頭おかしいよね