「ヒュッ、ぁ、あ、いやっ、あ、あぁっ、だめ、だ、め、うっ 、はっ、やめっ、」
彼は俺の質問を聞いた途端、ぶるぶると体が震え出し大粒の涙が彼の顔を濡らした。
「千冬、俺達も同じ思いなんだ。俺らも、お前が死んで欲しくない。」
千冬のそう言うと、彼は俺の腕を掴み、『行かないで、』と言った。俺も同じ思いだって言ったけど、
千冬に届いてるといいけどな、とか思いつつも彼の背中を優しく撫でた。
「いかなっ、行かないてくださっ、やだっ、やだっ!!!」
千冬がパニックになってしまい、その声を聞き付けたふたりが扉を開け、入ってきた。
「おい!!場地!!何した!?」
「…… 俺や、一虎が死んだら、お前はどう思う?って聞いた。」
「何聞いてんだよ!?!?そんなこと聞かせるな!!」
「一虎くん、!怒鳴ったら、、」
「ぁ、あ、ごめ、怒らないでくださ、やめで、!」
悪化していく、呆然と見るしかできない俺と、千冬に寄りかかる2人は、なんだか、手慣れていて、
俺よりも千冬のことを知っているように思えた。
少し、モヤついた。俺の方が先に、千冬と出会ったのに。取られたような気分があって、イラついた。
だから、
千冬の腕を掴み、俺の方に引き寄せるように引っ張った。
無理やりだったから、痛かったのか千冬はさらにパニックになって、「ああぁぁ」「いだ、」「ごめんなさ、」泣き叫んでいた。
そんな声も俺は無視して、こいつらに取られないようにした。つもりだった。
これをしたおかげで、千冬から距離をおかれることになるとは思いもしなかった。
一虎と武道は俺にキレていた。
「なんでそんなことすんだよ!?」「やめてあげてください!!」「何してんだよ!?」「離してあげて!!!」
千冬は痛みのせいなのか、パニックになったのか分からないが、気を失ってしまった。
「っ、、暫くはもう来ないことにする、、
もう帰る。」
一虎は千冬を抱き抱えて病室を出ていった。その後に続いて武道も出ていった。ひとりぼっちになってしまった。
先程までの狭い病室が、広く感じた。
「 うぜぇ 。 」ぽろっと口から出たのは毒だった。
千冬をソファーにおいて、毛布をかけた。毛布をかけた途端に千冬は目を開けた。
「ぁ、ひッ、」まずい、と思い千冬を抱きしめると彼は落ち着いたように抱き締め返した。
「行かないで、行かないで行かないで行かないで、」
何度も行かないでと連呼するもんだから、俺は暫く千冬のそばにいた。けれどもずっと居てあげられることが出来ず、場所を離れようとすると、
毎度千冬は泣いた。「どこ行くの、行かないで、死んじゃだめ、」と俺に行った。
俺はその度に、「死なないから、すぐ戻るよ。」そう言って、用事を済ませた。帰ってくると千冬は俺を抱きしめて、
危ないから、行かないで、と同じことの繰り返しだった。
「千冬、行かないと、」
場地が変なことを言ったせいで、千冬は俺たちがいなくなってしまうという恐怖で脅かされていた。
「だめ、だめなんです、だめです、置いてかないで、」
これじゃ、ごみ捨てに行けないな。一緒に行けばいいかもしれないけれど、一緒には行けない。
ゴミ捨て場は、消防署の近くだからだ。
「お願い、千冬、すぐ戻るから、絶対、戻るからさ、」
「 、、絶対ですよ、?」
「うん、絶対、」
俺はゴミ袋を抱えて、その場を後にした。
千冬もどうしたものか。このままじゃ、仕事に影響が出る。一応あいつは店長だと言うのに。
大人になっても、やっぱり変わらなかった。そのタケミチの言葉にはまるで、繰り返しているように。
どうしてこんなふうになってしまったんだろう。
話してくれるだけでも、ありがたいのだが。
その声に驚き、ふと横を見ると目の前には大きい赤いものがスローモーションのように近づいてくる。
気がつけば 、
冷たい地面と、赤い液体が広がっていた。
「大丈夫ですか!?」「誰か救急車呼べ!!」
「ダメです!!今〇〇マンションが大火事で!!動ける舞台がいません!!」
「応急処置!!」
俺、死ぬのかな、、ごめんな、千冬、
約束、守れないかも __________ 。
行かなきゃ 、千冬が 、危ない 、、
俺が 、千冬を 、、、守らなきゃ 、、
逃げて、千冬 、伝わらないけど 、
千冬 、逃げて 、お願いだから 、
約束守れなくて 、ごめん 。
コメント
6件
一虎ぁぁぁぁ!!死なないで!!お願い!ちふゆんを守って!!そして場地さんはちふゆんの事が好きなのかな?
1コメ!遅れてすみません。 約束守ってよぉぉ!!