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スマホが震えた。送り主は俺の親友だった。またいつものごとく、大富豪するのかなと思い、軽い気持ちでトーク画面を開く。が、どうやら違うらしい。トーク画面のスクショが送られてきていた。相手は今回で5年同クラの女子。鼓動が早くなるのを体全体で感じながら、読み進めた。刹那、背筋が凍る。
――親友が告白されていた。――
しかも両思い。親友も、その相手も、恋愛感情を持つような人とは思えないという事実が、さらに心拍を早め、体に体験したことのない重さを感じる。
本当に親友はいいやつだ。彼女ができるインスピレーションも見えていた。わかっている。友達として、この現実を受け入れなければならない。祝福しなければならない。けれど……。
俺の恋路がこれほどあっけなく潰れるものだとは夢にも思わなかった。自分にただならぬ劣等感が襲いかかる。紺色のジーパンをポツポツと黒色に染め、滲んでいく。それはまるで、自分の心のなかを写しているかのようだった。この瞬間、僕は恋愛という戦場で敗北者となった。