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僕は時織治、毎日楽しいような日々を
送らせてもらっている。
当時5歳…
でも…
「違う!!其の伝能を使う時は今では
ない!ほんと出来が悪いな。」
「うぅ…ごめんなさい」
「もういい、瑛大の世話でもしてろ」
そんな僕には、弟がいた、1歳下の
可愛い弟だ
「瑛大、君苦しくないの?」
「ーー?」
まだ言葉の意味は理解出来ていない
らしい。
「治!!何をしておる!!早く戻れ!!」
「はひ!!」
お父さんは本当に怖い、いつも怒鳴る
お父さんと一緒に道場の廊下を歩いた
「…治」
いつも鬼のように厳しいお父さんが、
なんだか穏やかな雰囲気だ
「何…?」
「瑛大、絶対守ってくれよ」
「…?もちろん」
そんな息子を僕に託すような父親の
背中は、なぜか大きく見えた
それから、俺は高校生になった
あれから父親は母親を亡くし、ずっと
家にひきこもっている
俺は今学校から帰る途中だった
何も楽しみなんてない、いや、ひとつ
あるとしたら
「おーはよ、治」
「本当になんなんです…先輩」
この人は僕が中学生の時、いきなり
話しかけてきた女の子だ
「ほんと!いつも暗い雰囲気」
「それはどうでもいいですよ、てか、
なんであの時、先輩は俺に声かけたんですか?」
「…いやーさ、あの時私いじめられてて
話し相手が欲しかったんだー、そん時に
私と雰囲気の似ていた君が、偶然同じ
下校する道だったから話しかけたんだよ」
「へー…」
「何よ、もっと反応してくれてもいい
じゃん!」
「なんか、そういうギャップありますよね」
「そう?」
そう会話を交わしていると、あっという間に
家に着いた
いつも家に前に着くと、嫌悪感が沸く
「それじゃあ、俺はここで」
「うん、じゃあね」
先輩の別れの言葉はいつも「じゃあね」
幼いようで少し寂しさを感じる
中1の俺には、少し贅沢な日常かもしれない
「ただいま」
玄関のドアを開け、そう言っても返答は
ない。
あれからずっと、父親の姿を見ていない
いつも晩飯を作っては父親の部屋の前へ
置き、ノックをする
いつも通り、晩飯を持って父親の部屋へ
向かう。
…?
なんだか血生臭い
でも
ガチャ…
俺は其の扉を開けた
「えっ」
そこには、父親の姿は無かった
「それじゃあ…この臭いは…?」
俺は部屋の中へ踏み入る
正直、とんでもない程に部屋は汚く、
足の踏み場は無いに等しかった
「父さんー、どこにいるんだ?」
俺は、1歩進んだ時に、違和感を感じた
グニャ…
足に今までにない柔らかい感覚を感じた
「えっ?」
でも、それは大人のような感じじゃない
そういえば、帰ってきてから瑛大を見て
いない。
瑛大は、俺が中学生になってからよく
友達と遊ぶようになった、小学生6年生だ
その時、また遊びに行ったのかと思ったが
玄関に靴がある
「…真逆、ね」
俺はモニターの光だけの部屋に、天井から
光を灯した
ゾクッ!!
「ーーー!?」
特に、何も無い、何も無いのに
全身の鳥肌がそり立つ程の悪寒が俺を襲う
そして、先程踏んだ所へと足を運ぶ
そこは、毛布の上からゴミが覆い被さって
中が分からなかった
白いけれど、少し黄ばんでいる毛布
に不自然な赤色の斑点が伺える
俺は、恐る恐るゴミをどかし、毛布に
到達する
毛布の端を持ち、ゆっくりと中を確認する
………….
………..
………
…….
…..
….
…
.
「あ」
そこには、血塗れで、ぐちゃぐちゃに
刻まれている子供の姿があった
全身が濃い赤色の血で塗られているため
顔は分からない
「あ…ぁあ…」
ベチャ…
俺は、その肉塊を優しく持ち上げる
とても大きいサイズだった。とても
重い、まるで
「瑛大…..?」
俺は、今朝瑛大が着ていった青色の服
と、この肉塊の服を見て言い放った
「ぁ….あぁぁああぁあぁああぁぁぁあぁああぁぁぁぁぁぁああ!!!!」
俺は肉塊を手放し、吐く
四つん這いになる俺の後ろに、気配を
感じる
「…父さん」
俺は四つん這いになりながら後ろを見る
血まみれの手
殺意の海に堕ちた目
しっかりと握られている包丁
そして
瑛大の輝く眼球
「お前…..か….お前」
そう呟く父親を俺は無視した
ズババババババババッッ!!!!
父親が血飛沫を上げ、大の字になって
後方へ倒れる
プシャ…
首と頭が切り離され、首から大量の血が
噴射されている
「ぅ….うぁ…..ぁあぁあぁぁぁぁぁぁ!!」