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あぁ、全て慣れてしまった。
人の死も、爆弾も、血も、泣き声も。
全て雑音に聞こえてた音は慣れてしまった。
上から降り注ぐ爆弾の多さはまるで人が作った雨のようだった。
あと何日だろうなんて考えてる暇ない。
今を生きるのに必死で未来なんか分からない。
防空ごうの中にいても、油の入った爆弾で打たれれば即死だ。
かと言って地に出て身を曝け出せば上から降り注ぐ爆弾により死ぬ。
生きる未来がこんなにも薄い日々に耐え切れる人なんか居なかった。
それも全て慣れてしまった。
決して死ぬ事に恐怖を持たない人はいない。
ただ身近にありすぎて。慣れてしまったのだ。
火傷で水を求めて川に行く人。
生き延びれたけれど顔が赤く爛れ、(ただれ)て人間にすら見えない人。
空気が暑く、その空気や灰を吸えば喉が火傷し声が出なくなる人も少なくなかった。
ここは普通なんて言えない“日常“だった。
暇さえあれば武器を作る時間。
鉄などの金属類は全て回収し、軍の物資として使ってるのよ。
私は手榴弾を使っているところに派遣された。
意味もなく、ただ日本が勝つために私達は一丸となってお国のために行くの。
それが普通だから、慣れてしまったから、昔の事がまるで嘘みたいにキラキラして見えるの
ただ、ただ私達が欲しいのは日常や、平凡なものなんかじゃない
ただ、明日がある世界が欲しいだけ。
これは傲慢なのでしょうか。
若き人たちが学問の時間を割いてまで
作るべきものなのかしら、
死にたくないのは当たり前。
死ぬ覚悟ができないまま殺される恐怖から逃れられないのは
もう嫌。散々ね。
あぁ、終わって欲しい、
喉から手が出るほどそう願っても
先は真っ暗で手を伸ばしても手を取る人なんか居るわけない。
抱きしめて欲しい。笑って欲しい。
それも全部鏡を見て私で全てやるのよ。
手を取って仲良しごっこする時間なんてないのだから、私たちは私で自分を労るの。
大丈夫、大丈夫、って
大丈夫。私はこの世界に慣れたんだから。