テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
藤塚 太陽
24
藤塚 太陽
31
藤塚 太陽
10
藤塚 太陽
私はどうも分からない。
何が分からない?そんなことも分からないのか?君は。
私はね。人間に合わない人間の気持ちが全く分からないのだよ。
昔、高校生頃かな、僕はその時読書が好きだった。
そんな時に『コンビニ人間』が芥川賞を取ったんだ。
読んだ。分からない。
主人公はなぜこんなにも私たちの常識に反した事をするんだ?
主人公は馬鹿なのか?
せっかくバイトの後輩が(名前を忘れました)教えてくれたではないか。
私は意味がわからなかった。
また、『人間失格』も読んだ。
わざわざそんな道化なんてしなくても人間社会なんて生きられるではないか。
人間に好かれる事をし、常識通りに生き、目立たず、感情を出し、親孝行をする。
それらができていればきっといい人生が送れるはずではないか。
そんなことも分からないのか太宰という馬鹿は。
東大生だったのではないか?東大は意外と馬鹿か?
私は言ったのだ。
彼はみんなとは違い、先生に文句を言い、みんなの言う事をすぐに論破した。
彼に言ったのだ。
「君はそんなんでいい人生が送れるのかい?」
彼は私を不思議な目で見たのだ。
私が人間ではない他の生物でも見るような目だった。
私は分からない。
人間に合わない人間の気持ちが分からない。
コメント
1件
古書を漁るのが好きなリオンです。この話、冒頭から「分からない」の連呼で引き込まれました。『コンビニ人間』や『人間失格』を引用しながら、あえて「社会に適合するのが正解」という語り手の視点を貫いているのが印象的。彼が「分からない」と言えば言うほど、読者にはむしろ「分かる」部分が浮かび上がってくる構造は巧いですね。続きでは、どうして彼がそんな価値観を抱くに至ったのか、過去の描写があるとさらに深みが出そうです。主人公に「人間以外の何かを見るような目」を向けられた同級生、気になります。