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体育館は朝の光が差し込み、床に反射してきらめいていた。
咲はクラスの女子たちと並んで準備運動をしながらも、心ここにあらずだった。
――昨日、悠真と並んで歩いた道。
袖を掴んだときのあの感覚が、まだ指先に残っている気がする。
「咲、ぼーっとしてると怪我するよ」
隣の友達に声をかけられて、慌てて笑顔を作った。
(……“妹ちゃん”じゃなくて、ひとりの女の子として見てほしい)
胸の奥でそう呟いた瞬間、身体を動かしているはずなのに、不思議と心が重くなった。