テラーノベル
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放課後。
玄関を開けると、靴箱に見覚えのあるスニーカーが並んでいた。
(……悠真さんだ)
胸がとくん、と跳ねる。
「ただいま」
声をかけてリビングに入ると、ソファに腰を下ろした悠真が顔を上げた。
「おかえり。亮にノート貸す約束しててさ。ついでに待たされてる」
軽く苦笑しながら、手にした大学ノートを見せてくる。
「そうなんですね」
咲は自然と微笑んだ。
ただそれだけの会話なのに――
帰ってきて悠真がいるというだけで、胸の奥が不思議と温かくなるのだった。
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