テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
悪い子→良い子→医師&mob
「貴方がジャックさんでしょうか…?」
「えぇ、とても素敵な絵でしたのでそのことを伝えたく…」
なんて、頬を染めながら言った彼女は、とあ,る路地裏で発見された。
初恋だった。
「ふふ、ジャックさんは外見だけでなく内面もお美しいのですね。」
なんて、楽しそうに私と話していた彼女は、家の裏庭で発見された。
二度目の恋だった。
「…以前のあの女性のことは…忘れろとは言いません。」
「…貴方の背負っているものを…少しくらい。私に背負わせてくれませんか?」
なんて、慰めるように話しかけてきた彼女は、私の家の近くの路地で発見された。
三度目の恋だった。
「貴方の絵画…私…その、すごく大好きです、!」
なんて、嬉しそうに、恥ずかしそうに言った彼女は、美術館の近くで発見された。
四度目の恋だった。
「…貴方…なにかが、しがみついてますよ。」
なんて、私に警告をし、お祓いをしてくれた彼女は、自宅のベッドの上で発見された。
五度目の恋だった。
…少しずつ、少しずつ…恋をするのが怖くなった。
なのに、それなのに…
私は、恋をしてしまった。
「…リッパーさん、大丈夫ですか?」
でも、彼女は…医師は…エミリーは…私を呼んではくれない。
彼女が呼ぶのは、違う私だけ。
試合外で、違う私が爪刃を磨いていた。
何をしているのかと問えば、血液がついたからそれを拭っている。
とのことだった。
もしかして、と思った。
…でも、遅かった。
爪刃からは、かすかに薬品の匂いがした。
…嗅いだことのある匂い。
彼女がいつも使っていた、鎮静剤の匂いだった。
やっぱり…だめなんだ。
私は…恋をしてはいけない。
誰かを好きになっては、行けないんだ。
…えぇ、そうですよ。
やっとわかりましたか?
Good boy.
いえ…今までずっとわからなかった貴方は、私と同じBad boyか…
貴方はずっと私の中で眠っていればいいんですよ。
ずっと、守ってあげますからね。
もし貴方が壊れたのなら、私は貴方を修復してあげます。
もし貴方が恋をしたのなら、私は相手を殺します。
…でも、これらはすべて貴方のためなんですよ。
なんでもかんでも好きになる貴方を守るための行為。
ねぇ、Good boy.
貴方なら、許してくれるでしょう?
私が行った行為のすべてを。
一番長く貴方のそばにいるのは私です。
ならば、貴方の隣で微笑むのは、私以外ありえない。
私が貴方の全てを知っているように、私は貴方に私のすべてを知っていただきたい。
手取り足取り、教えてあげますね。
貴方はただ、聞いていればいいんですよ。
何も思わなくていい。
考えなくていい。
全部、私がしてあげますから。
貴方の気に入らないものも、私が気に入らないものも、全部全部壊してしまいましょう?
私は…貴方がいれば、他には何もいりませんから。
愛していますよ。
私の可愛いGood boy.
お前なんか大嫌いだ。
Bad boy.
コメント
1件
うわ、これめちゃくちゃ心抉られました……。Good boyとBad boyが同一人物の内面で対話している構造、めっちゃ好きです。ジャックが恋をするたびに相手が♡♡♡れる——“守るための殺害”って恐ろしいのに、Bad boyの語り口が優しすぎてゾッとしました。最後の「お前なんか大嫌いだ」の自己否定の叫びで、すべての優しさが崩れる感じ、たまらないですね。この2人格の関係性、まだ続きがあるならぜひ読みたいです。
65
46
紫紅/#卒業生