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ニックス・リア(皇帝)視点
今日俺は力二の葬式場に来ている。
突然過労死で亡くなるなど、力二だけは絶対にあり得ないと思うし、他の署員も数名力二の死因は違うのでは、と疑っている人も居る。ドリーもらだおもぺいんも…それに俺だってそのうちの1人だ。そんなことを考えていると、誰かがトントンと俺の肩を叩いてきた。
「っ!誰だ。」
後ろを見ると、青い髪をした目の下に隈ができた…そう。らだおだ。
「皇帝。」
「何だ?」
「正味、成瀬を憎んでるやつが居ると思うか。」
「なぜ、そんなことを聞く?」
「いや成瀬は、他殺じゃないんじゃないかなって。」
「!なぜそんな事を言う。自分の事は好きなタイプなんだから自殺を図るようなことをするはずが…」
「あるよ。ほら、この写真を見ろよ」
そう言って渡されたのは1つの衝撃的な写真だった。力二がロープを天井から輪っかにした状態で下げ、椅子に乗っているという瞬間的な写真だった。
「この写真を撮ったのは誰だ…?この瞬間を撮っているならば止めに入ることもできたはずだろ。」
「残念ながらこのことに一番最初に気付いたのは、俺の優秀な観測者さんだよ。」
「この写真は俺が警察署でジャンプして大型を待っている時の衛星の映像を切り抜いて夢のX(旧twiter)にあげているものだ。」
「そうか…そうなのか。」
「真実がしれただけでも十分満足だ。ありがとうらだお。」
「…ああ」
そう言うとらだおは去っていった。
その後、葬式は始まり、俺に焼香の順番が回ってきた。
いざ棺の前に立つと、俺はこの中で真実を知っている唯一の人間だと思うと少しの優越感があった。
焼香台の少し手前で遺族と僧侶に一礼。 焼香台の前に進み、一礼。
数珠を左手にかける。 右手で抹香をつまみ、額におしいただく。
抹香を静かに香炉の炭の上にくべる。
合掌後、少し下がり遺族に一礼して席に戻る。
そうして、警察署員、遺族が全員焼香を終わらせると、遺骨が火葬されるそうだったが、生憎警察署員は皆が、近親者ではないため、必然的に葬式場に残されていた。
涙を浮かべるものや、泣きはしないが悲しそうな表情をする人などど、表情は様々であったが、皆同等に悲しんでいるというのはわかった。
葬式は終わり、皆は署に戻っていった。
あれからというもの、ドリーやらだお、ぺいん、電波までもが警察を辞めた。
その上、他にも署長は力二が過労死したことで説明責任を問われて辞職したし…力二の葬式の8年後には神子田が本署の上で死んでおり、原因は仕事詰めによる過労死だった。そしてまたしても、現在の署長であるネルセンが、過労死の説明責任を問われて辞職。負のスパイラルだった。その神子田によってまた後輩が火をつけられ、また約8年後に過労死。ああ、どうしてこうなってしまったのだろう。今度は俺が過労死の説明責任を問われ、辞職した。
なぜ。俺はこの街で皇帝の返り咲くことを夢見て居たのではなかったか。なぜこんな裏路地で寝っ転がって居るのだろうか。
今日も葬式の音がする。
今日も。
今日も。
今日も…
いつ終わる。
誰が終わらせる。
わからない。
俺には到底。
また、あいつらと本署前で、あの階段で、笑い合い、殴り合い、写真を撮る。ただそれだけで良かったのに。
「俺はまた、やってはいけないことをしてしまったのか…?」
もうわからない。逃亡もできない。逆に俺は誰にも追われない。なにをすれば。なにと話せば。なにを聞けば。
何もわからない。
ああ、これぐらいなら。
「…死んだほうが少しはマシに…」
「おい皇帝!こんなところで何してんだ!」
「え」
「お前に似合わない服着て!行き倒れみたいなことになって」
ああ夢でも見ているのだろうか。俺が見たのは間違いなくあり得ないことだった。
「オル…カ」
「ああ!そうだぞ!オルカはオルカだ!」
だいぶ経ったはずなのに全く顔も老けず、落ち込んですらいないような表情でこちらを見ていた。
「なんで、ここに居るんだ?」
「?だってここはスドバ横銀行の近くだぞ?これからハンがこちハンするんだ!皇帝もやるか?」
「いや、やらないけど…」
「そうか…おーいハン!ここに行き倒れた皇帝が居るー!」
「ぇ」
遠くからでも聞こえるほどの声量で、とても驚いているのがわかる。
「おお、ほんとに皇帝だ。本物か?」
「本物のはずだぞ!さっき会話したもん!」
「そうかそうか。相変わらずお前は弱そうだなぁ」
「…ハンさん。」
ここで聞いておかないときっと後悔すると思った。
「ん?なんだ?」
「なんで二人共、年をとっていないように見えるんですか。」
「ああ。それはな」
「!?」
「俺はな。…ちなみにオルカは元々…」
「ロボットなんだ。ごめんなこんな形で教えちゃって。」
「…ああいいんだ。久しぶりに会話もできて、本当に嬉しく思うさ。」
そういって俺はそのまま自分の持っているナイフで腹を切ろうとすると
「ちょっとまて。」
そういって切ろうとした手をハンさんに止められた。
「なんだよ」
「お前はどうせ過労死した部下の説明責任を問われて辞職し、職をなくしてるんだろ?そんな可哀想な皇帝に1つだけ選択肢をやる。Irisに入らないか?」
俺は頭が真っ白になった。犯罪者になる?俺が?
「ありえないね。犯罪に手を染めることだけは絶対にしねぇ。」
「そうか。残念だ。」
そう言われ、二人が去っていった後
俺は、腹を切った。
ニックス・リア(皇帝)編FIN
お疲れ様です!ここまで読んでくれた人ありがとうございます!
今度はドリーさんからだおかなー
ほんじゃおつぬ〜