「ッ…ぅ゛ぁッ……、?!」
目を覚ます。体を起こすと幼女の姿。やはりこれは夢ではない事が見て取れる。少し残念と思う自分が居るが、体を起こし服を着る。俺は寝る時は裸じゃないと寝れない派何でな、そして外に足を踏み出す。
「………、コロシアム〜、ッ…」
やはりコロシアムの近くは荒れ果てている。壁には落書き、ゴミが散乱している。そして飛び交う暴言や薄汚い格好をした孤児。孤児の目の前には空き缶、中には数枚の小銭が入っている。そして俺を期待の眼差しで見てくる。
「………恵む訳ねぇだろ〜、ッ」
「ぁ゛………」
小銭の入っている空き缶を目の前で蹴り飛ばす。孤児はそれを見て勢い良く小銭を体で受け止め、用水路に落ちるのを阻止する。それが無様でとても可哀想〜だった。そして笑いが溢れる。
「ッ……、フフフ…」
口を抑え、その場を去る。背中からは孤児の怨みや妬みの視線が受け止められる。妬むのならこの世界を妬め。そう思いならうる覚えの道をフラフラと歩いているとふと目に薬屋が映る。寄り道序に寄っていこう、そう思い中に入ると中は不思議なアロエの匂いが充満していて香水屋と改名しても良い位だ。
「お客さん…かい?」
「そうだババァ。金渡すからさっさと薬横嗄れ」
そう高圧的な態度を取ると、ババァは何が欲しいのかと笑い、餓鬼目線で言ってきた。腹が立ったが、欲しい薬があるので我慢した。
「お嬢ちゃん…何の薬かい?、病気が治る薬は高いがあるぞ……」
「ちげぇよババァ。性転換出来る奴と興奮剤をくれ。」
「ぇ?」
もう一度聞き返す。ババァはやはり俺が他の薬を欲しているのだと勘違いしたらしい。俺はこの薬を使ってキャバクラ的な所に行くつもりだ。ババァはカチーンと固まっていたので大声で「媚薬と性転換」と叫ぶと、驚いた様子は隠さずに慌てながらも渡してくれた。それを乱暴に受け取ると、俺は店の戸を足で勢い良く押し出て行った。出禁にならなきゃいいがな…、
その薬をポケットに入れ、とぼとぼと歩きコロシアムに着く。やはりドアの前には煙管のヤニジジィが立っていた。そして俺を見るなりニヤリと笑った。俺もそれを返すように不敵な笑みを浮かべた。
「お前はやっぱり来ると思ってたからよぉ゛…ちゃんと入れといたぜ、ッ」
「あんがとよ…ッ、」
票を見ると、俺の対戦相手はなんちゃらなんちゃらの〜…何か中二が考えたクソみたいな構文で書かれている男剣士が相手らしい…漆黒の堕天使〇〇〇と言った所だ。俺は目が痛くなった。中二の俺にそっくり過ぎてな。投票率はと言うと俺が47%.剣士が63%だ。どうやら女の投票率が半端ないらしい…、さすがは俺と真反対の剣士様〜…だ。
「何だこのクソみたいなゴミ剣士……反吐が出る…、」
「男側は皆そんな気持ちだからお前に投票してんだよ…何時もは男が多いんだがな、今回ばかりは女が圧倒的に多い……」
「まぁ、男み〜んなが此奴の顔面崩壊願ってんだよ」
そう言うとまた煙管を吹く。俺はそれを横目に魔導書を開いた。やはり綺麗で整った字で魔法が書かれている。それを俺はゲームの攻略本だと思いまじまじと見た。
そんなこんなで俺の番が来たので俺は観衆の前に立つと、男の喝采が聞こえてくる。それとは反対に、目の前の剣士の方からは女の喚き声が聞こえる。煩い、
「あはは〜、ッ!皆ありがとう!」
糞と整った顔立ちに、逞しい脂肪ひとつない体。そして皆を包み込む笑顔。此奴は俺とは真反対の世界を歩んできた事が見て取れる。俺は床に唾を吐き捨て睨み付ける。それに気が付いたのか俺を見て女共に見せる笑顔とは違うニヤリとした顔を見せる。自信に満ちた顔だ、
そして審判のスタートの声。俺は魔導書片手に杖を構える。相手は剣を構え、俺に向ける。少しの間沈黙が続いた。すると剣士が先に動く、それと同時に俺は避ける魔法を使う。すると奴の剣はブォンと宙を切る。
「やっぱり一筋縄では行かないか…まぁ、僕も其のつもりで来たんだけどね」
「………気色悪ッ…」
嫌悪の眼差しを見せるとそれを受けても尚笑顔を見せる。余裕の表情が俺は癪に来る。魔導書を見て攻撃魔法の書いてある頁を捲り唱える。
「『ファイアー・ブレム』」
その瞬間辺りが炎に包まれ、焜炉の中の様に暑苦しくなる。自分は薄着だが、相手は結構な重装備…それでも余裕の表情。本当に俺をおちょくるのが上手い野郎だ。そう思うと、否。剣士の口から発せられた言葉は……
「『*ウィール*』」
「……は?」
その瞬間、剣士の姿が見えなくなる。俺は防御魔法を唱え、魔導書のページを捲る。そしてその言葉の魔法の意味を知る。しくじった…。あれは攻撃が当たると半強制的に避けさせる魔法、という事は奴は炎ににわざと当たりに行き、避けさせる動作を連続的に起こさせている。それで瞬間移動を連続的に起こしているという事に成る。俺は魔法を消す魔法を唱える。
「ブレイ───「させないよ…」
「ッう゛……ぉえ゛っ、」
そして刃が俺の肝臓付近に鈍い音と共に刺さる。口から俺は吐血し、地面に座り込む。ヒールを使おうとすると、奴は杖を足で踏み、それを阻止し俺と同じ目線になるようにしゃがみ込む。
「あぁ…可哀想に……、こんなに血で汚れてしまって…」
血を吐き睨みつける俺にそう言い俺の血で汚れた口を指で奴は拭う。そしてその指を観客に見えない様に俺の目の前で舐める。気色悪い唾液の糸が引き、頬を赤らめ不敵な笑みを浮かべる。
「僕はね、本当はあんな女性は嫌いなんだ。本当に好きなのは…君みたいな穢れて汚れても否い可愛い女の子♡」
「熟していない胸に…性器。そして何も知らないその瞳。僕はソレに魅せられる」
客席に聞こえない位の音量で俺の耳元で本性を囁く。股を見ると完全に勃起しているブツ。そして荒い息遣い…鳥肌が立つ。
「とんだド淫乱糞ロリコン様々じゃねぇか…、大きなブツをお持ちでよぉ」
「フフフ…、君のその高圧的な態度も物凄く興奮するんだけどね…この試合で僕が勝ったらお持ち帰りしてあげる♡君みたいな子はこんな穢れた場所に居てはイケナイからね……♡」
「ッ、っ………」
少し傷の痛みが酷くなってきた。このままじゃあと数分すれば何時もの動きや魔法が撃てなくなる……、 そして俺は最前の方法を思い付き…実践に移した。
「けれどよぉ…随分と、隙が丸見えじゃねぇかよ゛ぉッ!!」
3話. 𝐹𝑖𝑛.
4話. 𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ
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