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熱いランタンの光と。

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熱いランタンの光と。

2 - ふわふわと女

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2023年12月14日

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それはまずい、と、ぱっと目を開けると、いるはずのない、女がいた。


彼女はろうそく型のLEDランタンを、明明とつけていた。暗い部屋にふわふわと明るい。


眩しいくらいだけど、白いLEDの光よりは赤い方が好きだ。


「おはよ。やっと起きたの。」


彼女は僕の方に手を伸ばす。


スラリとしている白くて細い手だ。だけど寝起きの僕はその手をとれなかった。


体が勝手にその手を拒み、そして彼女を拒んでいた。


僕は心底怯えていたようだ。


なぜ、ここに居るのだろう?僕が彼女を拒む理由はその「なぜ」しかない。それだけで汗が滲んでいる。


僕ってこんなに弱かったかな?



「はあ、何してるのかなって来てみたのに、このきったない部屋。ゴミ屋敷じゃない。上がるのも躊躇したわ。」


確かに、僕の部屋は汚い。


でも問題ないはずだ。人をあげたことなんかないし。自分が生活できればいいから。


というか、勝手に部屋にあがったのは女の方だ。


「躊躇どころじゃなくて、帰ってもらっていいんだけど。」


僕は彼女を見ずに言う。こんなことが言えるのは、こいつだからかもしれない。


彼女は、はあ、と大きなため息をついて言った。白い髪は、彼女にとってはコンプレックスらしいが、僕は綺麗だと思う。ストレートな白い髪。今日は綺麗にまとめられている。


「わざわざ来てやったんだから、その言い方はないでしょう。」


「何をしに来たんだよ。」


「あんたねぇ、学校ずうっと休んでるじゃない。ちょっとくらい、心配だってするのよ?」


僕は元気だ。心配はいらないはず。なんで休んでる、とか、聞かれることもあるけどただのずる休み。


「そりゃどーも。」


「大丈夫なの?元気なの?」


僕は元気だ。だからこうやって生活している。


「あぁ。」


「なら良かった、せっかく来たんだし、なにかしようか?いや、元気そうだし、いいかな?」


僕は元気だ。だから自分1人で、生活ができる。


「いい、帰れ。」


「やだ。」


「帰ってくれ。早く‥」


言葉がぷつりと途切れる。

熱いランタンの光と。

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