コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
-1-
あるところに、普通の天使が神に命じられて、とても大きな敷地の掃除をしていました。落ち葉を集めていると、どこからか甘い匂いが…
『…なんだろう?』
と天使は思いました。
その匂いを辿っていくと、大きな洞穴に辿り着きました。その洞穴は、前から立ち入り禁止と言われていた場所でした。
『きっと神様は、僕たちには内緒で、いいものを隠し持っているに違いない!』
と、天使は思いました。そっと入って行くと、甘い香りが強くなりました。焼き菓子の香りです。天使はそのまま奥に進んでいきました。
そっと物陰から除くと、頭がレモンパイの形をした少女が、ランプの灯ったテーブルの上にある、大きなオーブンを見つめていました。
『(なんて美しいんだろう…)』僕は異形頭の彼女を見とれていた。
『そのお菓子、美味しそうですね。』勇気を出して、声をかけてみた。
すると彼女は微笑んで、『ありがとう。良ければ一緒にどう?敬語じゃなくても大丈夫よ。』と言ってくれた。
僕は彼女の隣に座ってオーブンを見つめた
『何を作っているの?』
『ブルーベリーマフィンよ。そろそろ焼き上がるところだから、食べていかない?』
『いいの?!ぜひ!!』
焼きあがったマフィンは香ばしい匂いをしていた。
ひとくち食べてみた。
それはとても甘くて、しっとりとしていて、ブルーベリーの酸味も口の中で広がって…
『…どう?』
『凄く美味しいよ!僕甘いの好きなんだよね。』
『良かった…。』
『また来てもいい?』
『うん、いいよ。』
それからというもの、僕は週に一度、 異形頭の彼女の所へ通うようになりました。
-続く(と思う)