テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
第7話 一筋の光
md side
キメラの攻撃は比較的単調なものだ。避けたりするのは簡単だけど、近づくのは困難だった。
クリス・エル・セリスト(ch)
「クソッ、中々近づけねぇな。…それにしてもこのクソデカキメラが出たってのに、何で他の奴らは来ねぇんだ?あんなに目立つキメラがいるんだぜ?騒ぎになってるはずだろ?」
ガイスト(md)
「確かに…。」
クリスにそう指摘されて僕はふとキメラを見上げた。するとおかしな点に気づいた。
md
「ねぇクリス、上を見て。」
ch
「ん…?………何だありゃ、結界か?」
md
「そうだね、見た感じ結界外に状況が伝わらないようにシャットアウトしてる。」
ch
「じゃあ援軍が来る見込みがないってことか、マジ…?」
md
「だから僕ら2人であのキメラを何とかして、第三王子を助けだそう。」
ch
「…はいはい。」
そうして僕らは目配せをしてキメラの核を目指した。そして僕は1つの仕掛けを起動した。
ゴゴゴゴゴ…。シュン…ジャリン!!
すると地面から光の鎖がキメラの動きを封じた。そう、この仕掛けは僕が小屋に入る前に張った予防線だ。本来なら小屋の外に逃走するはずだった親玉を捕らえるために使うはずだったのに、このキメラに使うことになった。強度に関しては問題ないだろう。
そして僕らは魔法で核のあるだろう部分まで登る。そしてその場所まで辿り着いた。
ch
「やっとだな、意外とここまで来るのに大変だったな。…どうだ、ガイスト。第三王子の気配があったか?」
md
「…うん、間違いない。」
ch
「結構硬そうだな。同時に魔法を放って壊すぞ。 」
md
「了解。」
ch
「細石」
md
「嵐の轟音」
パリーン…!!
──────────────────
??? side
助けての声さえもう届かない。このまま俺は終わるんだ。そう思った時。
パリーン…!!
急に一筋の光が俺を照らした。そして全体に広がる光に目が眩んだ。そして風の勢いに俺はバランスを崩し、空中に投げ飛ばされた。
「うわぁぁぁ!!」
もう終わりだと思ったその時、誰かが俺の身体を包んだ。顔は隠れてよく見えなかった。
「大丈夫ですか。第三王子、ラダオ・ヴェルディオン様?」
声の聞こえた方を向くと、小柄な男が魔法で空を浮いていた。この顔に俺は見覚えがある。確か…
「もしかして七つの王冠のクリス?」
ch
「はい、そうです。」
「じゃあ俺を抱えているのは…」
「………。」
俺がその人の方を見ると顔を逸らしてしまった。そして地面に着くと静かに下ろして距離を取られてしまった。
ch
「同じく七つの王冠のガイストです。すみません、アイツ俺ら以外には心開いてくれなくて。人馴れには時間かかるやつなんですよ。」
そう言ってクリスも彼の方を見る。
七つの王冠の1人、ガイスト。彼が喋っているところを正直あまり見たことない。歳は俺とそう離れてない。7人の中では1番最年少だとも言われている。本名を隠し、ガイストという名で活動している。そんな彼を俺は尊敬している。寡黙な人だけど、魔法の腕はとても同年代だと思えない。だからこそ目標にする価値がある。1回くらいその顔を見て話してみたいのに。
「グォォォォォ!!」
獣のような雄叫びが聞こえる方を見るととても巨大な大きな何かがそこにいた。俺はアイツに取り込まれてたのか。
ch
「ラダオ様は下がっててください。身の安全は俺らが保証するんで。じゃあガイスト、あと頼むわ。」
ガイストは頷くと巨大な怪物に向き直り、彼と同じ背丈くらいある杖を構えて魔法を発動した。
md
「影の静寂」
その一言で怪物は消し飛んだ。本当に一瞬だった。周囲に飛び散る残骸が、その魔法の威力を物語っていた。
ch
「とりあえず第三王子の救出が成功したってことで俺らは一先ず撤収しよう。あとはアイリス達が何とかするだろうしな。」
md
「連絡、入れた。こっちに…来るって。」
ch
「じゃあ王宮に戻るか。歩けますか?」
ラダオ・ヴェルディオン(rd)
「あ、はい…大丈夫、です。」
そう言うと俺らは彼らに着いていき、王宮に戻った。
To Be Continued………