【自慰行為】
kn視点
扉を開けるとひんやりとした空気に包まれる。
寒いはずの廊下も、お風呂上がりで火照った身体には心地よく感じられた。
自室に向かう途中、俺の名前を呼ぶ声が聞こえた気がした。
気のせいかと思い足を進めようとしたが…
なんか…、なんかさぁ…。
なんとなーく扉に近づいて耳を澄ませれば、
kr『ん…ぁ、ふぅッ…♡』
初めて聞く彼の甘い声と微かな振動音。
興味が湧いてしまい、音を立てないようにして扉を少しだけ開ける。
案の定、ベッドの上に可愛らしい背中が見えた。
自らの後ろに小さめのバイブを挿し込んで小さく鳴いていて。
kr『ぅあッ…んんっ、ぁ…♡』
kr『ふッ…ぁ~~~っ♡』
足をぴんと伸ばして身体を震わせた彼。
もしかして…、
また音を立てないようにして扉をそっと閉めた。
え、可愛い。
可愛すぎる。
本当なら今すぐ飛び込んでいったっていいんだけど、初めてをこんな状況から始める訳にもいかない。
他の準備も何も整っていない。
また後日誘わせてもらおうかな。
あれから3日、いい機会がないまま過ぎてしまった。
それでも今横にいるのは完全にリラックスタイムの彼。
俺の部屋は完璧だし、脳内シュミレーションまで完璧。
少し彼の方を見てみるとやっぱり緊張してしまう。
そわそわしてるように見られてないといいなとか、
あどけなさが漏れてなければいいなとか、
ぐるぐる考えてひとつ深呼吸をする。
kn「きりやん?」
kr『んー?』
kn「俺のこと好き?」
kr『なに、急に…w』
kn「俺は好き」
kr『俺も好きだよ?』
kn「俺の方が好き」
kr『そうですか、w』
kr『ぉわっ…』
呆れたように目を逸らした彼を抱きしめると、一瞬バランスを崩したが直ぐに背中に腕を回してくれた。
普段こんなことをしない俺の行動に驚いたのか、暫くは戸惑っていたものの嬉しそうに耳を赤く染めている。
kr『どうしたの、今日』
kn「そろそろ良くない?」
kr『…なにが』
kn「分かってるだろ」
kr『いや、その…っ』
kr『まだ、じゃない…ッ?』
kn「いつもそれじゃん」
kn「俺とは嫌ってこと?」
kr『そ、いうことじゃッ、ないけどさ…っ』
顔を覗き込むも さらっと横を向かれてしまった。
髪の毛が重力に従って垂れていて表情が見えない。
kn「なに?」
kr『はずい…ッから、』
kn「足ピン癖のこと?」
kr『はッ……?』
kr『な、っ…いや、えッ…』
kn「いいよ、俺がじっくり時間かけて直してあげよっか」
コメント
3件
書き方すごい好きです、!!!