テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「wki…!」
「あ、ryoちゃ…置いてかないで…!」
この世界では、雨は降らないみたいだ…ー
「ryoちゃん、そっちは…!」
「wki…!」
そっちは、駄目だ。何故かはわからないけれど、何かが、駄目だ。
…天国って、幸せな場所じゃないの、?…結局、置いていかれるの?…僕は。何処に居ても同じだったの、?wki、嘘でもいいから、あの優しい声で僕の名前を呼んで。
「mtk…?おいで。こっちだよ…」
「wki…?」
嘘、あの声だ。wkiだ…!でも、ここを渡らないといけないの?…怖いけれど、wkiとなら。
今度こそ、wkiと二人きりで、、、
「行くな‼mtk‼‼」
「え、?…wki、?」
なにこれ、どういうこと、?wkiが、二人いる、?
「wki…?何言ってるの?本当の僕はこっちだよ、?」
は、?僕ももう一人、?なんで、本当の、僕は、こっちだ。
「mtk?…あ、此方が本当のmtk、か、?」
「え、?wki、?」
wki、?間違ってるよ、本当の僕は、ここ、ここに…
「…そうだよ。wki…笑」
「…ッ゙!ちがっ…」
なんで、笑ってるの…?本当、って何、?…仮初と本当、どちらともが同時に存在しているのなら、仮初が本当だと言い張ってもおかしくないんだよ。…じゃあ、僕が、仮初だったってこと、何でバレてるの。…全員、騙せたと思ったのに。
【この世に完全なる本当なんて物、無いんだよ。】
「…馬鹿だなぁ、俺。」
「ぅあ゛…!ッ゙はぁ、はぁ」
あぁ、また、夢だ。最近よく見る、この夢。変に解像度が高くて、少し不安になる。…しかも、wkiとryoちゃんが出てくるから。…疲れてるのかな、この夢のせいで、ずっと寝不足な気がする。なんで、こんなに同じ夢を何回も見るようになったんだろう、…僕は、二人のこと、ちゃんと信じてる、のに、?
「おはよ〜!」
「ん、おはよ」
「おはー」
よし、切り替えて、仕事仕事。…変わらない日常、……良かった。
「ねぇmtk、最近隈凄いけど、どうしたの?」
「あー…、いやさ、変な夢見て、寝れないんだよね。」
「え!?大変じゃん、」
「うん…まぁでも、そんなに心配しなくていいよ、大丈夫だから。」
「心配だなぁ…」
「大丈夫!ほら、仕事戻るよ、今回めっちゃ難しいキーボードのソロパート作ったから、覚悟してね?笑」
「ひぇええ…頑張ります…。」
「「「お疲れ様でした〜!」」」
「いや〜、やっと終わった、」
「やっぱ、ソロパートむずかった?笑」
「そりゃもう、大変だったよ!?」
「笑、苦戦してたね〜、俺は今回は軽めな方だったけど、」
「あ、そういえば!mtk、寝られないなら、僕の家で三人で寝る?」
「え、良いの?そんな急に…」
「なんで俺も、?てか寝れてないの?mtk。」
「うん、変な夢見ちゃってさ、」
「なるほどね、それで三人で泊まるってわけか。」
「って事で決まり!れっつごー!!」
「「じゃ、おやすみ。」」
「おやすみ、」
ー……
あぁ、まただ。この夢。
【ねぇ、仮初の僕。早く、消えてよ。…邪魔なの。だから、早く。】
なんで、そんな事言うの、?僕は僕なのに。なんで、そんなに否定するの、?
今まで、僕のために、平気なふりをして演じていたのに。…苦しかった。ずっと。【僕】を演じ続けてきて、慣れちゃった自分が怖くて。だから、本当の僕の居場所を消そうとした。でも、何故かずっと痛くて、怖くて、苦しかった。…そりゃそうだ。本当の僕が消えれば同時に仮初の僕も消えるから。…だから、僕は僕だと、信じてもらうしかなかった。本当とか、仮初とかじゃなくて。全部、僕だと、認めて欲しかった。
「仮初とかじゃない。…僕は僕だ。」
「…でも、世間から見たらどう?…明らかに、仮初の僕の方が優秀でしょ?だから、僕は、戻れなくなるのが…怖い。」
「…ねぇ、本当に、覚えてるの、?」
ずっと、いつからか、ずっと。…仮初の僕だった。だから、今更、僕と僕の違いなんてあるのだろうか、と思う。…僕たち二つで一人だから、違いなんて無い気もする。…何故、そんなにも僕と僕は違う物だと言いはるのか。
「覚えてるよ、君より、醜くて、汚い生き物だった。」
「…じゃあ、僕は、なんなの?…ただ、僕を【完璧な人間】に見せるための飾り、?…僕も、自由になりたかった。」
「…今、戻らないと、戻れない気がする。…どちらかの僕を押し殺してでも。」
「戻りたい戻りたい、って、何に?…さっきから言ってる。僕は僕なんだよ、?君の居場所がないわけでもない。…確かに僕は君の居場所を消そうとしたけれど、君が感じる痛みが、僕にも伝わってくるから、できなかった。…全部、一つになってるんだよ。…だから、もし、戻ることで君が壊れるのなら、僕も壊れるしか無いんだよ。…それでも、戻りたいのなら、ね。…」
「…僕は、…壊れるくらいじゃないと、学べない、」
「あれ、mtk、何か変わった?…なんかおかしくない?前はもっと…」
あぁ、馬鹿みたい。…壊れるくらいじゃないと学べない、なんて。…こうなるのは、最初から、分かってたはずなのに。やっぱり、もう一つの僕のほうが良いんだね。もう、良いでしょ。…大切にしてきたこの心も、消してしまえば良い。…そうすれば、彼奴も消える。…消えてほしいんだ、
「ねぇ、僕のこと、そんなに嫌いだった、?…ねぇ、僕を嫌うことで、自分のことも嫌ってるの、気付いてないの?」
「ッ゙…はぁ…」
またか。…毎回、同じ様な内容。何が言いたいんだよ、…疲れた、もう、寝るのも、疲れた。
起き上がって洗面所の鏡を見ると、そこには隈の酷い僕。顔色があまりにも悪く、思わず乾いた笑いが漏れる。
「はぁ、…ヤバいな、これ。」
いくら寝れていないとはいえ、こんなに隈が凄いとは思っていなかった。…これはryoちゃんも心配するわけだ。最近はダイエットのために食事もあまり取っていない。…まぁ元々、あまり食べる方ではないが。
…ここ一週間、レコーディングで、ミスが続いて。小さい失敗でも、それだけで「今まで、なんでこんなに頑張ってきたんだっけ、」って考えちゃってさ。…頑張ってないくせに、ね。……メンバーを信用していないわけではないけれど、いつまで、こんな僕に着いてきてくれるのかな、って。我儘で、傲慢で、だけど、「愛されたい」ってやけに美しく謳い上げてる僕に。…僕は、「分かってる」「頑張ってる」「大丈夫」「一人じゃないよ」…こんな言葉、大嫌い。…根拠もなければ、理解しようともしてないから。
ばたん、
あ、誰か、起きた、?
「mtk〜?寝れ、ない、?って、どうした?」
「え、何が?」
「いや、なんか目にハイライト入ってなかったから…」
「…暗いからじゃない?」
「…そっか、ねぇ、ホントに大丈夫?」
「え?な、にが?」
「…大丈夫って言いながら、笑顔が…ぎこちなくて、いつも何処か遠くを見つめてて、まるで現実世界に居ないみたいで、消えちゃいそうで怖いんだよ、」
「なに、頑張って、空気読んで笑ってるのに、それでもぎこちないとか言うの、?そんなに、僕、笑うの下手かな、?」
「いや、ちがっ…」
「違わないよ。…wki、じゃあ、もっとちゃんと笑えるようにさ、教えてよ、…もう、分かんない、、」
「ッ゙は、……なにこれ、…また、夢、?」
一度頭を冷やそうと、ベランダに出る。時刻は2時程で外はまだ暗かったが、降っている雨は、星のように輝いていた。
夜風に当たる度に思う。…あの、僕が死んだ時も、同じ様な風だったな、と。…夢なのに、その感覚だけはやけにリアルに残っていた。
「mtk、?何してるの、?」
「あ、ryoちゃん、起きたの?」
「うん…隣りにいなかったからさ、…なんか、今日のmtk、儚いね…」
「…どういうこと、笑そんなことないでしょ。」
「なんか、凄い、綺麗だね。………ねぇ、そのまま消えちゃったりしないでね。」
「え…?」
「……死なないでね。、最近のmtk、ずっと心此処にあらず、って感じで、消えちゃいそうで怖かった。」
「…人って、簡単に死ぬなっていうよね。…人の苦しみも知らないくせにさ、僕は、ryoちゃんのその言葉さえ信じられない、捻くれ者なのかな。」
「m、mtkそういうことじゃ…!」
「分かってる。……こんな僕、誰も必要としてないんだよ。」
「は、ぁ゛、」
なにこれ、なんで、繰り返されてるの、?
夢を見る度に、どんどん僕が目を逸らしていた部分が月灯りに照らされていく。…あぁ、嫌だ。これだから、夜は嫌いだ。…一人じゃ、呑み込まれてしまう。逃げようとも、動けない。何処にも行けない。逃げられない。
はやく、誰か、僕を引き戻して。帰りたい、あの世界へ。…戻りたい、忘れてないよ、遠くなっただけ。…まだ、きっと、帰れる。
「mtk…?起きてる、?」
「ん、ryoちゃん?起きてるよ。」
「……寝れない?」
「…うん、」
「ねぇ、【自分の体調管理くらい出来るようになったら】?」
「…ッ゙え、?ryo、ちゃん…?」
「ん?どーしたの?」
「え、今の、なに、」
「?…【ねぇ、mtk、我儘すぎるんだよ。…ホント、迷惑】」
「あ、ぁ、」
ryoちゃんまで、そんなこと言うんだ。…何処までが、夢?何処までが、現実?
ryoちゃん、そんな風に考えてたんだね。結局、どこにも味方なんて居ない。夢の中でも、現実でも。……………もう僕は、誰も、【信じない。】
「mtk?聞いてる?…大丈夫?【あーあ、寝れないとか、夜更かししてるだけでしょ。…泊まりとか本当はやりたくなかった】」
「ッ゙ぅ、…」
「っは、…もう、嫌、疲れた、」
なんで、なんでこんな事ばかり考えちゃうんだろう。…ただの、被害妄想だ。僕は【2人が居ないと】、なんてもう、捨ててやる。…もう、僕は1人で生きていく。また、もう一つ、嘘の仮面を重ねて。
そう、それで良いんだ。…良いんだ、よ、……………………ねぇ、大好きだよ。2人が抱えきれないくらいの愛を、僕は自分の中に閉じ込めてる。いつか、2人に渡せたら、それ以上の幸せは無いだろう。……ー
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!