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天城先輩の腕の中で

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天城先輩の腕の中で

6 - 第6話同輩と飲み会

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2025年07月16日

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飲み会も終盤、テーブルには空いたジョッキと頼みすぎた枝豆の皿。

「でさぁ〜〜、那央、結局さ」


隣にいた同輩の一人が、那央の肩に肘を置いてニヤついた。


「やっぱ付き合ってんの? あの天城先輩と」


「……ん〜……?」


那央は、頬を赤く染めたまま、ゆっくりジョッキを口に運ぶ。


「……なんで……?」


「いや、見りゃわかんだろ! めっちゃ一緒にいるし、顔に出てるって。もう“彼氏です”って背中に書いてるレベル」


「……へぇ……」


「……え、ちがうの?」


ちょっとだけ間があって、那央は――

酔ったときだけの、ほんの少し甘えた声で、ぽつり。


「……うん」


「っマジか!?!?」


「やっぱり!!」「いやほら俺言ったじゃん!」

「マジで付き合ってたのか〜〜……でもさ……あの先輩ってさ」


急に声が落ちる。


「……やっぱ、デカいの?」


全員がふっと息を飲んだ。

酔ってなきゃ誰も聞けないようなテンション。

でもこの場には、酔ってる那央がいた。


那央はその言葉に、ふにゃっとした笑みを浮かべて――

ちょっと考えるように眉を下げた。


「……んとね……」


空いていた方の手を、ゆっくり自分の下腹部に添えて。


「……ここ、まで……だった」


「…………」


全員、固まる。


「……今、なんて?」


「……ここ、まで……かなぁ……?」


指で、へそ下をなぞる。


「……っ、こないだ、全部入って……そしたら、ここ、まで……♡」


「お、おま、ちょ、それ……っ!!」


「うそ、やば……」

「まじで聞いちゃったんだけど……」


「ふふ…なんか身体あつ…♡」


「おい、紺野、さすがにそれ……」


「だいじょぶ…もう慣れたからぁ…♡」


「……やばいって…那央酔いすぎ…!」


──ガタッ。


「はい、すみません」


背後から、落ち着いた低音。

天城悠馬が、軽く微笑んで、那央の肩を持ち上げた。


「こいつ、持って帰りますね」


「えっ、先輩!? い、今ちょうど…」


「全部聞いてたよ。だから、もう帰りまーす」


悠馬は困ったように笑いながら、

片手で那央の腰を抱き寄せ、すっと立ち上がる。


「お騒がせしました。あとでコンちゃんには……ちゃんと、言っとくんで」


「えっ……ゆ、うま……?」


「……コンちゃん」


悠馬は那央の耳元で、ふっと囁く。


「“ここまで”って、誰に言ってんの? 帰ったら、もう一回確かめよっか?」


「っ、やっ……♡」

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