テラーノベル
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今日も変わらない光景。
午前7時32分。駅前の横断歩道。春なのに、少し冷たい風が吹く。
信号は赤。彼はイヤホンを片耳だけつけて、退屈そうに空を見上げている。
あと23秒で、トラックが突っ込んでくる。
私は、それを知っている。
___ああ、また救えなかった。
さっきまでの世界で、彼は私の眼の前で息を引き取った。
震える指先。血の匂い。かすれた声で「ごめんな」と笑った顔。
そして、目を閉じた瞬間、私はまたここに戻る。
今日で100回目だったの。
いや、今この瞬間で、101回目。
コメント
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いいね100しといたよーん