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ルル
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【原作の展開】> 『監獄のデザイア』第六章『血塗られた球技大会(地獄の球戯祭)』。
監獄学校『ディスペア』の極限状態で行われる、ルール無用の超攻撃的球技イベント。
原作では、魔力を込めた鉄球のようなボールを投げ合い、相手チームの肉体を物理的に破壊・殲滅するデススポーツ。
影の支配者ルシアンは、ボールに「当たった者の生命力を吸い尽くす暗黒の呪術」を付与し、優勝賞品を餌に生徒同士を共倒れさせ、監獄の戦力を壊滅に追い込む惨劇の章であった――。
【ルシアン視点の実際】
「……なるほど! 汗と青春の『全校ドッジボール大会』か!」
俺――ルシアン・ヴァルハイトは、グラウンド脇に掲げられた「生きてボールを撃ち返せ(※当たれば即死)」という物騒な横断幕を見上げ、爽やかにうなずいた。
地獄の調理実習(※教員の毒を全消去したお菓子作り教室)も大成功に終わり、アイリスちゃんとの仲もますます深まっている。
そして次に始まったのは、まさかのスポーツイベントだ。
(まあ『生きて撃ち返せ』とか書いてあるけど、要するに『ボールに当たったらアウトでコートの外に出る』っていう体育の定番ルールでしょ! 監獄学校は相変わらずオーバーな表現が好きだなあ)
相変わらず脳内お花畑な俺は、殺伐としたデススポーツを「爽やかな青春スポーツラブコメ」へと全自動変換していた。
しかも今回は、クラス対抗の混成チームで**アイリスちゃんと一緒にコートに立つ**ことになったのだ!
(勝ち確定。コートの端でアイリスちゃんを守るウイングとなり、『大丈夫? 俺の背中に隠れてなよ』イベントが発生確定だ!!)
俺が脳内でウエディングベルを打ち鳴らしていると、体操服姿(※雑用係用の動きやすい服)のアイリスちゃんがトポトポと歩み寄ってきた。可愛い。天使か?
「ルシアンくん、私、運動神経よくないから……すぐボールに当たっちゃうかも……」
「大丈夫だよアイリスちゃん! 俺が絶対にボールなんて一球も当たらせないから! アイリスちゃんは後ろで安全にしてて!」
「ルシアンくん……! うん、私、ルシアンくんを信じるね……♪」
二人の間に甘い空間が完成したその瞬間、同じチームのミーナちゃんがゼッケンを握りしめながら泡を吹きそうな顔で突っ込んできた。
「アイリス正気!!? 相手チームを見て!! あいつら魔力を込めた鉄球みたいなボール持ってるんだよ!? なんでルシアンが持ってるボールだけ、ふわふわの特注ビーチボールみたいになってんの!!?」
「え? みんな硬めのボール使ってるんだね。ハードモードかな?」
「凶器だよ!!! 会話が通じない!!** ルシアン、あなたさっき相手の番長が投げた音速の鉄球を、素手で受け止めて『はい、パス♪』ってアイリスに優しくトスしたわよね!? 手の骨どうなってんの!?」
「え? 強く投げたら危ないから優しくトスしただけだよ。スポーツマンシップだね」
「**音速の鉄球を物理法則無視して殺気だけで無力化しただけでしょ!!! もう嫌、胃が痛いとかの次元超えて命の危険感じる!!」
ミーナちゃんは頭を抱えてベンチへ避難していった。
準備運動が足りてないのかな? ストレッチを勧めよう。
その頃、グラウンドを見下ろす時計塔の裏。
「シェイドの旦那……ルシアンの兄貴がコートの中央に立ちましたわ……!」
関西弁の情報屋ジローは、ガタガタと全身を震わせながら望遠鏡を覗いていた。
「あ、あのルシアンの兄貴が握ってるピンク色のボール、一体どんな恐ろしい暗黒兵器ですの……!? 触れた人間の魂を吸い尽くす古代の呪具ですか!?」
「フフフ……甘いな、ジロー」
闇の中から現れたシェイドは、冷徹な笑みを浮かべてメガネを光らせた。
「ボスは……コート全体に『絶対防御領域』を展開されたのだ。相手チームが放つ一切の攻撃(鉄球)の威力を、無意識の圧でゼロに変換し、ご自身が握るボールに『アイリスへの愛の波動』を込めることで、相手の戦意を根本から挫くおつもりだ……!」
(『無茶苦茶や!!!』)
ジローは心の中で声が枯れるほど叫んだ。
(ただの『アイリスちゃんにボールが当たったら痛いから、周りの鉄球を全部ただのゴムボールレベルまで減圧した』だけやろがい!! どこが愛の波動やねん!! ただの超絶過保護な職権乱用や!!)
「……ジロー、試合後にボスとアイリスちゃんが飲むための『冷えた最高級高級フルーツポンチ』の手配を急げ。ボスの深謀遠慮を滞らせるな」
「殺戮球技大会の最中にフルーツポンチの手配かい!! ほんまこの学校狂っとる(泣)」
【試合中:原作主人公アーサーの視点】
「くそっ……! これが……これが『血塗られた球技大会』……!!」
相手チームのキャプテンとしてコートに立つ勇者アーサーは、滝のような汗を流していた。
原作通りの展開なら、相手の物理攻撃によって味方が次々と倒れ、絶体絶命のピンチに陥るはずだった。
だが――アーサーの【直感】が、恐ろしい怪現象を察知した。
(な、なんだと……!? 俺が全力で投げた【魔導破滅球(マダウハメツキュウ)】が……ルシアンの前に到達した瞬間、**ただの軽やかなピンポン球のような威力**に弱体化している……!?)
見回すと、他の生徒たちが投げた殺傷能力の高い鉄球も、ルシアンが展開する謎の空間に入った途端、すべてヘロヘロのショロショロ球と化していた。
(しまっ……! ルシアンだ! 奴はコート全体の空間概念を書き換え、この過酷な殺戮ドッジボールを『幼稚園のボール遊び』へと変貌させたのだ……!!)
ふと見ると、コートの最奥でルシアンがアイリスと並んで笑顔でボールをポンポンと弾ませていた。
「わあ、ルシアンくん上手! 私も投げてみていい……?」
「いいよアイリスちゃん! 相手の足元を狙って優しく投げてごらん!」
「えいっ♪」
ぽてん、と転がったアイリスのボール。
(終わった……!!)
アーサーは絶望に打ち震えた。
(あのボール……! 速度ゼロ、威力ゼロ……だが『ラブコメの圧倒的尊さ』という不可避の精神攻撃が込められている……! 避けられない……受け止められない……!!)
アーサーを含む相手チーム全員が、そのあまりの甘々空間の圧に耐えかね、その場に崩れ落ちるように倒れ込んだ(※精神的KO)。
ルシアンがふと振り返り、倒れたアーサーたちへ爽やかな笑顔で手を振った。
(『貴様らの殺意など、俺とアイリスの愛の前には球ころ同然』……そう言いたいのかルシアン……!!)
「くそっ……! 敗北だ……! 俺たちの鉄球では……奴の『青春スポーツラブコメ時空』を1ミリも砕くことすらできない……!!」
アーサーはコートの土を握りしめたまま、無念の静かな涙を流すのだった。
「わあ! アイリスちゃんの投げたボールでみんな倒れちゃった! アイリスちゃん、実はドッジボールのエースだったの!?」
「ええっ!? そんなことないよ!? ただ転がしただけなのに……みんな、疲れてたのかな……?」
「あはは、きっとそうだよ! いや〜、良い汗かいたね!」
(いや〜、監獄学校の球技大会、みんな全力でプレイしてすごく爽やかなスポーツマンシップに溢れてたな! アーサーくんなんて負けた悔しさでコートに突っ伏して泣いてたし、本当に熱い青春だなあ!)
自分が無意識の圧で相手の殺傷兵器を全ボール無力化し、惨絶な球技大会を「彼女を絶対に守るイチャイチャボール遊び」に上書きしたことなど1ミリも気づかず、俺はアイリスちゃんと一緒に冷たいフルーツポンチを食べに向かうのだった。
コメント
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うわあ、もうここ、めちゃくちゃ最高でした……! 殺戮球技大会がルシアンさんの無意識過保護で「青春ドッジボール」になってるの、笑いが止まらなかったです。特に「音速の鉄球を素手で受け止めて『はい、パス♪』」のところ、ツボすぎて声出ました(笑)。アイリスちゃんとの甘々空間でアーサーくんたちが精神的KOする展開も、ラブコメとしての完成度が高くて、キュルノさんのユーモアのセンスが光ってるなあと感じました。次も楽しみにしています!