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「ふ〜ん……まろちゃんって、ああいうこと聞いてくるんだ〜……」
それは“尋問事件”の翌日。
初兎は朝からずっと不機嫌そうに、口をとがらせていた。
いふに聞かれた内容が内容だっただけに、ダメージは計り知れない。
「ごめんって〜。でも可愛かったし、つい♡」
「それ、反省してないよね?いいもん、今夜は俺が聞く番だから」
「……え?」
23:50
いふの部屋にやってきた初兎は、やたらとニコニコしていた。
その手には、飲み物とスマホとメモ帳。
「じゃ、まろちゃん。今日はちょっとだけ、本音を引き出すゲームに付き合ってね?」
「……あのさ、俺って本音タイム入らないよね?」
「うん。でも、俺が本音しか言えない状態で“誰かに言われたくないこと”を先に言うと、相手も言わなきゃいけない空気になるって、知ってた?」
「なにその謎の心理戦法……」
「今夜は、“まろちゃんに恥ずかしいこと言わせる選手権”です♡」
0時突入:逆襲開始
「ねえ、まろちゃん。俺、昨日さ……まろちゃんの声で耳元囁かれて、変な声出そうになった」
「えっ!?まって、それ俺関係ある!?」
「あとさ、キスのあとちょっと泣いたの、気づいてた?」
「……まじで?」
「“嬉しくて”ね♡」
いふは目をそらし、どんどん顔が赤くなる。
「……じゃ、俺も言う。初兎のそういうとこ、たまんないって思ってる」
「それは本音?どのくらい?」
「95%本音、5%理性ギリギリ」
「ふ〜〜〜ん♡」
—
「じゃあさ、俺とどれくらいキスしたいって思ってる?」
「……今日だけで5回は考えた」
「うわ、それはちょっと嬉しいかも。……ていうか、俺のこと本気で将来考えてる?」
「……バリバリ。普通に結婚したいと思ってるけど」
「……え?」
初兎の本音フィルターが止まる。
「うわ、今のはマズかった?」
「……ううん。……俺も、そう思ってた」
—
2人の間に、ふわっとした沈黙が流れる。
でも、それは居心地のいい、ぬるま湯みたいな空気だった。
「まろちゃん、次からは聞くばっかりじゃなくて、ちゃんと答えてもらうからね?」
「はいはい。でも俺の口から言わせたら、もっと止まらなくなるよ?」
「……それはそれで、聞いてみたいかも」
「じゃあ、次の0時も、また俺の部屋来てよ」
「……うん。聞きたいこと、まだまだあるから」
その夜の日記(初兎)
✅逆襲成功(たぶん)
✅いふくんの結婚願望を引き出す
✅なんか最後甘すぎて恥ずかしくなった
✅でも嬉しかったからヨシ