ようやく口づけから解かれると、
「……自分からボタンをはずしなさい。さぁ、その手で……」
今度は服を脱ぐように、強要をされた。
「イヤ…です……」
「イヤ? ……そう、まだそんな余裕があるのですね…。……それなら、もう少し激しく、してあげましょうか」
噛み合わせに指が押し込まれ、無理やりに口が開けさせられると、いっそう深い口づけを強いられた。
「私から逃れようとするなど、くだらないことだと思った方がいい」
そうして政宗医師は、キスをやめようともしないまま、見下した口調でそう言い放った。
「……脱げますよね? ほら、もう……私の言う通りにしたらいい」
冷えた手が、首から鎖骨を這い、浮き出た骨格を横に撫でさする。
「……もっと感じたいのなら、自分からそうしなさい……」
耳元で吐息混じりに囁きかける声に、暗示にかかったかのように、つい服のボタンに手をかけた。
けれどすぐには脱げるわけもなく、やはりためらっていると、
「……まだ、羞恥の方が先に立っているのですか? 身体はもう感じているはずなのに、……いいのですか? このままでも……」
政宗医師は言いながら、私の肩から腕、腕から指先へと、手の平を滑らせるようにして、皮膚の表面をスーッと撫でさすった。
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