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チュンチュン,,,
小鳥の声で目が覚めた。
もう朝。昨日は夢だったのかな。あまりにも濃厚な1日だったために体はまだだるい
スッ…
ベッドから起き上がり眩しい日差しに目を細める
暖かい,,,
コンコン
ふと、ノックがなった
誰だろう。
「お目覚めですか?」
彼だ
「もし入ってもよろしければ手を2回叩いてください。その逆であれば1回。」
パンパン
私は2回叩いた。ということは前者だ。
ぼーっとした頭のまま彼の目に私が映る
「フフッ 目覚めたばかりですね」
そう言われて気がついた。
頭はボサボサ、顔も洗っていない。きっと酷い顔をしている。
私は咄嗟に顔を隠し洗面台へと走った
そこで気がついた。普通に歩ける。
「あ、歩けるんですね。よかった,,,」
少し戸惑いつつ顔を洗う。
冷たい水が寝ぼけた体を芯から覚ます。
「,,,しいな,,,」
小さくて聞こえない声。なんと言ったのだろうか
「頼って貰うことが減った,,,寂しい,,,な、少し」
彼は聞こえているとわかっているのか、そう呟いた
「わたしは、正しいのか,,,」
どうしたのだろう。彼は1人で俯き呟き始めた
「,,,ッ」
彼は拳を握る
私は考える間もなく手に水を収め、こぼさないように彼の元へ走り、
バシャ!
彼の顔へぶっかけた
「わっ!!!」
彼は驚いてこちらを見た。
何が起こったのか理解出来てない様子だった
彼の髪から滴る水を見て、昨日のことを思い出す。
思い出すとまた、顔が熱くなる。
私は彼の元へ寄り、ほっぺをつまんだ。
「ふぇ!?」
彼は情けない声を出して目を丸くした
( ・᷄-・᷅ )
私は頬を膨らませて彼の頬っぺを引っ張った
「いはい!いはいれす!どうしたんれすか!」
私は手を離し、今度は優しく彼の頬を両手で包み込んだ。
彼のおでこに自分のおでこを当て、そこから彼の目を見た。
何度見ても見とれるほどの綺麗な瞳。
こんな瞳に私を映していいのか、そんなことまで考えてしまう。
私は口パクで
(大丈夫)
そう伝えた。
口パクで伝わったのか、彼は急にパッと離れ、
「しょっ食事の用意が,,,でっできるららららしいので!」
( ゚ー゚) ( 。_。)コクン
と私は頷き部屋着のまま髪を束ね廊下へ出た
廊下を歩きながら
「さっきは驚きましたけど、ありがとう、」
「私があなたを心配させてはいけませんね。不甲斐ない,,,」
ニコリ
と私は笑い、食事をする部屋へ入ったー。
王妃「おはようございます。体調は大丈夫ですか?」
昨日部屋へ飛び込んだのを体調不良だと思っていたらしい
王妃「目を覚まして急に色々なことが飛び込んできて、大変でしたよね。私共もあなたの気持ちを考えていませんでした」
そう丁寧に頭を下げられた
いえいえ!滅相もない‼️
そう叫びたかったが声は出ない。
フルフルと首を必死に振るだけ。
王様「すまなかった。こちらも状況が理解できない状況で、今日はゆっくりして過ごしなさい」
王妃が敬語なのに対して王様は威厳のあるお言葉で話された。
肌が綺麗で顔の整っており、笑うととても優しいお顔をされる王妃様。
透き通るような瞳に高い鼻。とてつもなくハンサムで笑うと王妃様と同じく優しい顔をされる王様。
どちらもとても若い。若く美しい。とてもお似合いだ。
王妃「どうなされたの?」
ジロジロ見つめる私に疑問を抱くのも無理はない。
何も言えないでいる私に
王妃「あぁ、そういえばあなたに大切な話があります。」
大切な話。なんだろうか。
王妃「私たちの王国は、20歳になる前に政略結婚をします」
え、、、?
王妃「驚くのも無理はないでしょう」
王妃は少し話しずらいと言うようなお顔をされた
王様「ラズエル、あとは私から話そう」
ラズエルという名の王妃はスっと顎を引いて承諾を示した
王妃「ありがとう、リオン」
ラズエル様の返答にリオンという名の王様はにこりと笑った。
リオン様「君は今自分が何歳かわかるかい?」
私は首を横へ降った
確かに私は今いくつなのだろう。鏡で見た時は18,19くらいに見えた
リオン様「君は今、16歳だ」
!?!? 17!?
予想外の数字に驚きを隠せない私を見て、リオン王は優しく笑い
リオン王「伝えるのが遅れてしまってすまなかった、あとは彼から聞いた方がいいかもしれないな」
リオン王「食事が済んだら話しておやり」
「はい」
と彼は頷きナイフとフォークを手に取った
パタン
彼は私の部屋に戻ると背中でドアを静かに閉めた。
、、、、、、
無言の部屋
「,,,先程の話、」
彼は口を開いた
「昨日、私はあなたの何なのかを話す途中で終わってましたよね。それを今話します」
あぁ、そういえば言っていた。あの時雷の音でかき消されたのだ。
「私はあなたのー。」
帰ってくる返答はわかっている。彼はきっと私の政略結婚の相手だろう
「政略結婚の相手の代役です」
,,,え?
想像していた返答と違っていた。代役?じゃあ私の本当の相手は?
「あなたの御相手様はあなたが眠っている間に亡くなられました。」
彼の話によると、セヌリアという王族の王子で、その国はとても豊かで美しく、輝いているらしい。権力が膨大で私たちの国では敵わない程だったのだと言う。
「私はあなたの本当の御相手ではありません」
と申し訳なさそうに呟いた。
「しかし私は彼の代役を務める。あなたを命に変えてもお守りします」
セヌリア王子がどんな人だったのかは分からないが。私はきっと今目の前にいる彼を選ぶだろう。
「アムア、私は本当の婚約相手ではありません
でも、私を受け入れて頂けますでしょうか」
そんなの、言うまでもない。
「こんな私でもあなたの隣に居させて貰えないでしょうか」
口で言えないなら行動で表情で、気持ちや感情を伝えればいい。
私は彼のそばに寄り、方を持ち、
(*꒪꒫꒪)( ._.)(*꒪꒫꒪)( ._.)コクコクと頷いて見せた
とびきりの笑顔で。
彼の顔はパッと明るくなり心底嬉しそうに小さく飛び跳ねた。
ぴょんぴょんと。小さな子供のようで可愛かった。
私たちは毎日色々な場所へ行った。
最初は白の敷地内だけだったのが、街へ出ることが許された。当然使いの人たちが着いて回るのだが。
彼と私は手を繋いで街を歩いた。
食べたことの無い果物や野菜。見たことの無い動物を見てとてもはしゃいだ。とても楽しい。
夜は時々抜け出して夜空を見た。
白の人達とも打ち解けてみんなが優しかった
過去のことなんて、忘れていた。
ある朝、
コンコン
私の部屋にノックがされた
召使い「アムア様にお客様です。失礼します」
そう言って入ってきたのは、顔の知らない老婆だった。深くフードを被っていて顔は全く見えない。
老婆「おぉお、コレガ、あの方の言っていた,,,」
なんのことだろうか、老婆は1人で喋っている
老婆「あぁ,なぜ,なぜ生きているのだ」
生きている??
老婆「あの方が仕事を任せたのに,まだ,,,」
この人は何を言っているのだろう。見当もつかない。
と、老婆が瞬きをする間に私の側へ寄り、腕を掴んだ。すごい力だ。老婆の力じゃない。
老婆「アイツが命令どうリにシナイノナラ、」
痛い,,,!
老婆「私が,,,」
老婆は懐からナイフを取り出した。
私に振りかざす
私は恐怖で口を開いた
「ああぁあああああああ!!!」
廊下にまで響いた悲鳴に誰かがドアをぶち破って入ってきた。
彼だ,,,!
「アムアの部屋から悲鳴が,,,,,,!?」
彼は老婆を見るなりみるみる青ざめていく。
老婆は彼を見てニヤリと笑い、口を開いた