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雨彩かなた
ぱんだんこぱ
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stxl 二次創作 紫赤
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4⁄26
遠くで、低く雷が鳴る。
窓ガラスが小さく震えて、来るかな、と思った数秒後。
コンコン、と控えめなノックが響いた。
「こったん……」
ドア越しの声は、少しだけ不安そうで。
でもその震え方がわざとってこと、もう何度も聞いて知ってる。
「雷、すごい……」
「うん、聞こえてるよ」
返事をしながら、思わず口元が緩みそうになるのを抑えた。
たぶん今も、ドアの前で様子伺っているのだろう。
「入っていい?」
「いいよ」
そう言うと、すぐにドアが開いた。
顔を覗かせたこえくんは、いかにも“怖がってます”みたいな表情をしてるくせに、目だけはちょっと期待してる。
分かりやすい。
「……こっち来る?」
声をかけると、迷いなくこっちに来るあたりほんとに遠慮がない。
「一緒に寝ていい?」
「毎回聞くね、それ」
少し笑って返すと、ほんの一瞬だけ気まずそうに視線を逸らした。
「だめ……?」
「だめなわけないでしょ」
ほぼ反射だった。
言ってから、ああ甘いなって自分でも思うけど、今さら引く気もない。
「やった」
嬉しそうに笑う顔を見て、やっぱり怖がってるわけじゃないなと確信する。
だからって何も変わらないけど。
「ほら、入って」
布団をめくると、当然のように隣に潜り込んでくる。
距離、近いな。
外でまた雷が鳴った瞬間、袖をきゅっと掴まれた。
「……やっぱちょっと怖いかも」
これもきっと嘘。
……いや、半分くらいは本当かもしれないけど。
「そっか」
それでも、何も言わない。
代わりにその手を軽く握り返す。
「大丈夫」
そう言って頭を撫でる。
こうすると、すぐに安心したみたいに力が抜けるんだ。
「こったん、あったかい」
「そう?」
「うん」
ぎゅ、と掴む力が少し強くなる。
……ほんとに分かりやすい。
きっと雷が怖いんじゃなくて、こうしたいだけ。
隣にいたいだけ。
最初に気づいたのはいつだったか。
でも気づいてからずっと、俺は何も言ってない。
言わなくてもいいし、…言いたくない。
「……今日、ひどいね雷」
適当にそう言うと、素直に頷く。
「うん、だから……」
「一緒に寝るんでしょ?」
先に言ってやると、少し驚いた顔をしてからふっと笑った。
「……ばれてる?」
「どうだろうね」
曖昧に返して、もう一回頭を撫でる。
本当は、全部ばれてる。
でも、それでいい。
もう少しこのままで。
「……こったん」
「ん?」
「もうちょっと、こっち来て」
「はいはい」
少しだけ距離を詰めると満足したみたいに目を閉じる。
その顔を見ながら、息を吐いた。
俺はこえくんに甘すぎかも。
でもまあ、それでもいいか。
外ではまだ雷が鳴ってるのに、ここだけやけに静かで。
自分もそのままゆっくり目を閉じた。
どうせまた、次の雷の日も君はやってくる。
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