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はじめて好きになったのは、ただの偶然だった。
教室でふと目が合ったときの笑顔。
それだけで、心臓が跳ねた。
毎日話すわけじゃない。
でも廊下ですれ違うだけで、今日一日が特別に思えた。
気づけば、彼の一挙一動に目がいって、
小さな仕草に笑って、小さな言葉に落ち込んで。
友達にも言えない、ひとりだけの秘密。
「好き」って言えなくて、でも「好き」でいることが幸せだった。
きっと、いつか忘れてしまうのかもしれない。
それでも今は、この淡い気持ちを大事にしていたい。
放課後の教室。
夕焼けが差し込む中で、彼と目が合った。
一瞬だけ笑い合って、すぐに視線をそらす。
心臓がうるさくて、声が出せない。
「好きだよ」って、ただそれだけを言えたらいいのに。
彼はノートに視線を落としたまま、何か言いたげに唇をかすかに動かした。
でも、言葉になる前に飲み込まれる。
私と同じように。
明日もまた、友達として隣に座る。
笑い合うけれど、心の中は「特別」でいっぱいだ。
お互いに気づいている。
でも、あと一歩が怖い。
関係が壊れてしまうのが怖いから。
だから今日も「好き」は胸の奥にしまったまま。
けれど、指先が触れた一瞬だけ、ふたりの気持ちは確かに重なっていた。
「じゃあ、また明日な!」
部活が終わって校門を出た瞬間、彼の声が響く。
何気ないその一言で、私は一日中の疲れが一瞬で吹き飛んだ。
並んで歩く帰り道。
部活の話やテストの愚痴、どうでもいいことばかり。
でも、その時間が誰よりも特別だった。
ふと手が触れた。
それだけで心臓が大きな音を立てて、歩幅が合わなくなる。
「ごめん」って笑う彼に、「ううん」って答えるのがやっとだった。
言えない言葉が胸の奥に渦巻いている。
「好き」って、ただそれだけなのに。
夕焼けに染まる彼の横顔は、いつもより少し大人びて見えた。
きっとこの瞬間を、私はずっと忘れられない。
夏の放課後。
校舎裏に並んで座って、部活帰りの風に吹かれていた。
彼は水筒を片手に、何気ない笑顔で「今日の練習キツかったな」って言う。
私はただ「うん」って相づちを打つだけ。
本当はそれ以上に、「一緒にいられるのが嬉しい」って伝えたかった。
近くて遠い距離。
肩が少し触れるだけで、心臓が痛いくらい高鳴る。
でも、彼にとって私はただの「友達」なんだろう。
夕日が沈むとき、影が長く伸びて、ふたりの影が重なった。
それだけで、泣きそうになるほど幸せだった。
この気持ちはきっと届かない。
でも、届かなくてもいい。
彼と過ごしたこの夏の景色は、誰にも奪えない私の青春だから。
宿題あと丸つけだけだよー!!
嬉しい