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次の瑞希ちゃんバナーヤバそうですね。
頑張りましょう…
⚠瑞希ちゃんの悩みに触れる描写あり
展開早い
気持ち悪い
「っはッ、!!!」
目が覚める。
息が苦しい。
喉が締め付けられるような感触がある。
『Amia?』
『ちょっと、どうしたのよ?』
絵名と奏が心配の声を上げる。
急いでパソコンの画面を見ると、まだ3時を過ぎた頃だった。
「ごめん、寝落ちしちゃってたみたい」
『大分魘されてたみたいだけど大丈夫?』
「うん、大丈夫」
奏がいて、絵名がいて、まふゆがいる。
当たり前の光景なのに、何処か遠く感じた。
「あれ、瑞希?今日は朝から来たんだ!」
「おっはよ〜杏!」
人が行き交う音が脳に響いて、気持ち悪い。
気持ちとは裏腹に動く体は、まるで自分のものではないかのようだ。
それを隠すように、いつも通りを演じる。
「じゃ、またね!」
「うん!」
今日こそは話す。
本当の『ボク』を全てさらけ出す。
絵名がどう感じるかはわからないけど。
覚悟はできているはず。
放課後、夜間制で登校してくる絵名を待っていた。
ボクらの待ち合わせ場所に足を進めて、屋上の扉に手を伸ばしたとき。
「ーー、ー!!」
「誰かいる…」
「暁山は__なんだよ」
「……は?」
聞こえた。
聞いてしまった。
聞きたくなかった。
聞いてほしくなかった。
「え…う、嘘…そんなわけ…」
「アンタ何言って……!」
ガタッ
「だ、誰…?!」
絵名が勢いよくドアを開ける。
ボクの顔を見るなり、わかりやすく青ざめた。
「…やべ」
気づいたらアイツはいなかった。
無責任に言葉を並べて、逃げ去っていった。
「…ねえ、み、瑞希」
「さっきの…本当、なの…?」
絵名が声を低くして問いただす。
ボクから離すまいと、外れない視線が痛い。
なんて返すのが正解だったんだろう。
声が震えて、呼吸が浅くなる。
言えない。こんな状況じゃ。
「…ボ、クは……」
やめて。やめてやめてやめて。
「…そう、だよ…」
「っ、!!」
「ぁ…」
そんな、そんな顔しないで。
そんな顔をさせたかったわけじゃない。
やめて、やめてよ。
これ以上奪わないで。
ボクをボクで居させてよ。
ボクの影が夕闇に溶ける。
暮れた空に消えてゆく。
なんだか、存在自体を否定された気分だった。
「…っ」
「あ、瑞希…!」
屋上を飛び出した。
もう無理だってわかった。
走って、走って走って、気づいたときには家だった。
脳裏に絵名の表情が焼き付いている。
「どう、して…」
力ない声が口から漏れた。
「ボクは……生きてちゃだめなの…」
「秘密ぐらい…自分で、話させてよ」
「こんなの現実じゃない」
耐えられないの。